暗くなるまで待って – WAIT UNTIL DARK(1967年)

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スタッフ
監督:テレンス・ヤング
製作:メル・ファーラー
脚本:ロバート&ジェーン・H・カリントン
撮影:チャールズ・ラング
音楽:ヘンリー・マンシーニ

キャスト
スージー / オードリー・ヘップバーン
ロート / アラン・アーキン
トールマン / リチャード・クレンナ
カルリーノ / ジャック・ウェストン
リサ / サマンサ・ジョーンズ
ヘンドリックス / エフレム・ジンバリストJr
グロリア / ジュリー・ハロッド
ボール遊びの少年 / ロビー・ベンソン
ラジオ放送者 / メル・ファーラー

日本公開: 1968年
製作国: アメリカ ワーナー作品
配給: ワーナー


あらすじとコメント

前回の「軍用列車」(1975)で、知事役を演じたリチャード・クレンナ。二枚目で、脇役の筆頭が多いが、あまり印象に残る役者ではない。それでも無難に役をこなす印象ではある。そんな彼が悪党を演じた作品を選んでみた。

アメリカ、ニューヨークカナダからの飛行機が到着した。その便に、麻薬を隠した人形を持った女が搭乗していたが、彼女は空港でとある男の姿を見て慌てだす。そして、同乗していたプロ写真家ヘンドリクス(エフレム・ジバリストJr)に人形を預けた。

その後、とあるアパートの一室にトールマン(リチャード・クレンナ)と元刑事のカルリーノ(ジェック・ウエストン)がやって来た。どうやら二人は犯罪者のようである。呼びだしたのはロート(アラン・アーキン)で、ここはヘンドリクスの部屋で、ひとり2000ドルの報酬で人形を探せと命じてきた。怪訝に感じた二人は断るが、衣装ダンスに人形を持ち込んだ若い女性の死体があることを告げる。断っても良いが、そこいらじゅうに付けた君らの指紋はどうするんだと不敵に笑みを浮かべた。

その時、ヘンドリクスの妻スージー(オードリー・ヘップバーン)が帰宅してきた。ロートは二人に物陰に隠れて息をひそめろと命じる。もはや逃げる時間がないと踏んだ二人は指示に従った。

だが、入って来たスージーは三人に気付かない。何故なら彼女は全盲だった・・・

悪党三人と全盲の人妻の駆け引きを描くサスペンス作品。

麻薬入りの人形が行方不明となり、三人の悪党がヒロインの部屋を探すが見つからず、ならば人妻から情報を聞きだそうとする。

リーダーが一番の悪党で、独り占めしようとしていた運び屋役の女を殺害。見知らぬ悪党二人を誘い入れ、全く別な犯罪ストーリィをでっち上げて人妻をだまして情報を聞きだそうとしていく内容。

何といっても、ヒロインが全盲という設定が上手いと感じさせる舞台劇の映画化である。

ほぼ、アパートの一室で物語が繰り広げられ、次から次へと悪党や、隣室のこまっしゃくれた少女が出入りし、成程舞台劇という印象。

しかも全盲ゆえに、悪党たちがそれを利用しようと策を講じたり、逆に、ヒロインが嗅覚や、聴覚に長けているので、別のサスペンスを喚起させていく。

最初から主犯が殺人を厭わない性格であると印象付け、後々、ヒロインがどのように追い込まれていくかがスリリングに展開される。

ヒッチコックが好きそうな題材で、実際、ヒッチも映像化を検討したようだが、結局、同じくイギリス出身のテレンス・ヤングが監督した。

確かに、ヒッチコック映画のようなシーンも散見できるが、ヒロイン役がオードリー・ヘップバーンという点が、ヒッチ好みではないと感じさせる。

それでもヤング演出には、いかにもイギリス的感性を意識させられるので、何とも設定がニューヨークだとイメージできないのも、別な意味で「妙」である。

クライマックスもヒロインの設定を上手く利用した展開で、ハラハラさせるし、敢えて映像でなく、音で表現するのも面白い。

個人的嗜好でいえば、50年代に別な配役でイギリスで映像化して欲しかったとも感じさせるサスペンス・スリラー。

余談雑談 2018年10月27日
どこまで妥協するか。図らずも落下させ、蝶番部分の不具合から完全破損を危惧し、慌てて交換した携帯電話。 先ず、この『慌てて』がミス。しかも時代に逆流するのが好きな自分は、絶対に「スマホ」でなく、「ガラケー」のままにする。 どこか、昔の任侠映画