また一軒好きな店が閉店していた。オジサンが独りで切り盛りしていた8坪程度の小さな洋食店。場所は護国寺の外れ。
出入りしている編集部が近くにあったが、震災後、建物に難ありと判明し、数百メートル離れたビルに移動した。なので、足が遠退いていた。
自分は、そこで一番高い1000円のポークソテーが好きだった。コストパフォーマンスは素晴らしかったが、やはり金額がモノを言う。
それに、編集部へ出向く機会も減って、益々足が遠退いていたが、先立て、バスに乗るため近くに行ったら、店の入ってたビル自体が解体されていた。
やはり、無くなると寂しい。となると、似たような別な店はなかったかと思い巡らせた。
そこほどではないが、許せる範囲の洋食店を思い出した。場所は自室から1キロほど北上した区立スポーツ施設際。
ただし、そこはもっと高いから10年近く行っていない。得意の逡巡である。
そうしたら、先週も書いたが、自室のエアコンの漏水で絨毯が濡れて、乾いた後にシミが残った。
さて、どうするかと考えて、「リグロイン」という靴磨き用に買ってあった汚れ落し薬剤かなと。で、見てみると蒸発でもしたのか殆ど残っていないではないか。
それを買う店は自室から2キロはある南千住に近い場所で、皮革関連専門店が並ぶ地域にある。
そこは靴職人も通うプロ用専門店で小売りもしてくれる。小さな店だが、素材皮から靴ひも、靴クリームから専用鋏まで揃う。見ているだけで、これは何に使うのかと不思議ながら、実に面白い。しかも卸価格である。
一度など、ゆっくり見ていたら店の方に、職人さんですかと尋かれた。即座に否定したが、いつかは作ってみたいとも思った。
革靴を履かなくなって久しく、靴磨き回数も激減し、足も遠退いたままであるが、そこでハタと気付いた。その店の途中に洋食店があると。これは運命か。
でもって、暑い最中行ってみた。薬品を買い求め、洋食屋へ。
げッ、そこも閉店していた。昭和の残り香も平成で全滅か。
何て時代だ。