裸のジャングル – THE NAKED PREY(1966年)

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スタッフ
監督:コーネル・ワイルド
製作:コーネル・ワイルド
脚本:クリント・ジョンストン、ドン・ピータース
撮影:H・A・R トムソン
音楽:アンドリュー・トレイシー

キャスト
白人男 / コーネル・ワイルド
白人男2 / ゲルト・ヴァン・ダーベルグ
案内人 / パトリック・マインハート
追手リーダー / ケン・カンプー
族長 / モリソン・ガンプー
追手2 / サンディ・ンコモ
追手3 / エリック・マッキンヤナ
追手4 / ジョン・マルカス
少女 / ベラ・ランドルス

日本公開: 1966年
製作国: アメリカ テオドラ・プロ作品
配給: パラマウント

今回も19世紀の未開の地アフリカを舞台にした作品。象牙の密猟者たちと現地人のいざこざから信じ難い恐怖に追い込まれる男性を描く作品。

アフリカ、某所19世紀後半頃のこと。アフリカは未開の大地で、白人たちは象牙収集と奴隷確保のために訪れていた。

白人の男(コーネル・ワイルド)は、将来農園でもやって隠遁生活を送るのが夢だったが、同行する白人は奴隷貿易で大儲けを企むような男で、原住民など人間扱いしないようなタイプでもあった。とある種族の領地を通過するときも平和的に貢物を要求した族長を無視して勝手に押し進み象狩りに精をだした。

猟果を得て歓談していると、突如、先程の部族に襲撃され拉致されてしまう。捕まった人間たちは次々と残忍な方法で処刑されていく中、唯一、友好的だった農園経営を夢見る男は「ライオンの死」を宣告された。

その内容とは・・・

たったひとりで生死を賭けたサバイバル・ゲームを強要される男を描くアクション。

同行者の傲慢な態度から窮地に追い込まれる主人公。だが、彼だけは以前から部族に好意的だったことから、死に直結ではなく、生死を賭けることを許される。

真っ裸でサバンナに放りだされ、十人の追手から逃げ切ることができれば生還を許されるという内容。

先ず、一人目を倒し持っていた武器や水、衣料を調達。どうやら知恵はあると、妙に白人優位の視点を感じさせるが、そこはアクション作。

当然、恐怖は追手以外にも野生動物や蛇、サソリなどもいる。食料や水も調達せねばならない。

「アニマル・プラネット」よろしく、野生動物たちの捕食や闘争のドキュメンタリー画像を上手く挿入し、さも主人公がそこにいて巻き込まれそうになるというサスペンスを盛り上げる。

途中で武器をなくしたり、次々と「前門の虎、後門の狼」が押し寄せるという進行。アフリカでオールロケを敢行し、内容も練られていて結構面白い展開を見せてくる。

主演は監督も兼ねるコーネル・ワイルド。昨今は忘れ去られた感のある人間で、イメージ的にはB級的扱いの映画が多いが、中々どうして監督と主演を兼ねた中で良作を輩出している。

当時は、B級映画の雄ロジャー・コーマンと同じようなイメージもあったが、コーマン同様映画を愛し、理解した上で単純なアクションを作る。

そういった作品群が多い。内容から賞レースには全く絡まない映画ばかりだが、昨今でいうとクリント・イーストウッドのようなスタンスか。

職人というほど「頑な」ではないし、大作的というほどでもない。共演者も有名どころは起用せず、どちらかというとワンマン映画の印象。

確かにイーストウッドと比べると怒る方もいようが、個人的には第二次大戦末期の日米の激戦のひとつであった『硫黄島』を描いた作品でアカデミー賞を受賞した「硫黄島からの手紙」(2006)より、ワイルドが主演監督し、本作の翌年に制作された「ビーチレッド戦記」(1967)の方が、良く出来ていると確信している。

本作もワイルドの良さが前面にでた単純ながら面白いアクション映画と呼べよう。