北極の基地/潜航大作戦 – ICE STATION ZEBRA(1968年)

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スタッフ
監督:ジョン・スタージェス
製作:マーティン・ランソホフ
脚本:ハリー・ジュリアン・フィンク、D・ヘイズ
撮影:ダニエル・L・ファップ、J・M・スティーヴンス
音楽:ミッシェル・ルグラン

キャスト
フェラディ中佐 / ロック・ハドソン
ヴァスロフ / アーネスト・ボーグナイン
ジョーンズ / パトリック・マッグーハン
アンダース大尉 / ジム・ブラウン
ウォーカー中尉 / トニー・ビル
ガーヴェィ提督 / ロイド・ノーラン
オストロフスキー / アルフ・シェリン
レイバーン / ジェラルド・S・オローリン
ハンセン / テッド・ハートリー

日本公開: 1968年
製作国: アメリカ M・ランソホフ・プロ作品
配給: MGM


あらすじとコメント

前回の「地獄特急」(1957)でタフな敵役を演じたパトリック・マッグーハン。知的な印象が勝り、いかにもイギリス的な冷たさを放つ印象。カルト的な人気を誇ったTVシリーズ「プリズナーNO.6」(1967)の主役が印象深いだろうか。そんな彼が出演した米ソ冷戦に材を取ったアクション作。

北極海イギリス所有の浮氷基地「ゼブラ」から救難信号が入った。しかし当地は悪天候で電波も微弱であり、正確性が懸念されたが安否確認を含めアメリカの原潜タイガーフィッシュ号に救助命令が下った。

艦長はフェラディ中佐(ロック・ハドソン)だが、何故か出航直前に上層部命令で急遽イギリス人ジョーンズ(パトリック・マッグーハン)と救助活動のはずなのに海兵の精鋭隊隊を乗艦させることになった。真相を教えてもらえないフェラディは疑念を持つが、命令は絶対である。

更に洋上でロシア人ヴァスロフ(アーネスト・ボーグナイン)と海兵隊士官アンダース(ジム・ブラウン)も乗り込んできて・・・

米ソ冷戦下での薄氷的均衡バランスを描くアクション大作。

表向きは救助目的のアメリカ原潜に蠢く謎の男たち。

実は米ソ双方の極秘情報を撮影したソ連のスパイ衛星が墜落し、北極の基地で既にイギリスとソ連の間で奪い合いが起きていた。しかし悪天候で勝負が付かず、その衛星回収に向かうのが原潜の裏の任務。

だから謎の人物が多いのである。となれば当然、ソ連サイドも同様な動きをする。その直接対峙は後半の山場まで「お預け」で、原潜内で妨害活動が起き、誰がスパイなのかという謎解きがメインとして進行する。

原作はイギリスのアリステア・マクリーンによるもの。原潜内のセットや、模型による氷河下での特殊撮影など大作感を醸している。

監督はジョン・スタージェス御大だが、既に盛りを過ぎていたころ。本作直後には「宇宙からの脱出」(1969)という大作を連続して撮るが、流石に往年のキレはない。

シネラマという巨大スクリーン用に作られているのだが全体的にキャストが弱いとも感じた。主役である原潜艦長のロック・ハドソンは艦内メインで展開するにもかかわらず、裏の事実やスパイ妨害活動に翻弄されて何だか「蚊帳の外」という扱いだし、終盤でのソ連との直接対峙の場面でも、それまでの窮屈さを掻っ攫うほどのアクション的活躍もない。

後は主要キャストの誰が味方で誰が敵かという謎解きサスペンスもあるが、やはり各々の演技がチグハグでアンバランス。

恐らくキャストよりもセットなりに予算を掛けたのだと推察できるが、それにしては大作感もなければ高揚感も緊張感も持続しない。それでいて上映時間は、「序曲」「休憩」「終演」の音楽まで入り160分もある。

既に映画産業自体が最盛期を過ぎ、それでもあがいていた時期ということが良く解る超大作。

余談雑談 2022年4月30日
世は黄金週間突入だ。こちらは久々の沖縄旅行から戻り、余韻を堪能中。一方で地元観光地は『禍に留意しつつ』というよりも完全に「横に置いといて」の感じで大混雑。 そこに持ってきて「マスク外し」を政府筋が流し始め、メディアもさてどうなの国民衆よと試