これは梅雨の走りだよな。それでも、まだ蒸し暑くもないから外出には適している。となればランチビールを目指し午前中から散歩と称して外出。
あくまでも散歩であってスポーツ・ウェアに身を包み颯爽とてなイメージではない。逆にそんな恰好で開店直後の食堂でいきなりビールというのも何かが違う。
飼っていないので犬の散歩でもないし、かといって定年後に趣味を兼ねてガイド本等を片手に小奇麗な格好とスニーカーで若々しくプチ旅行とも違う。
目的は軽く一杯のビールと定食。何軒かあるが最近は元日雇い労務者の街『山谷』の二軒に行くことが増えた。場所柄、当然そのゾーンに似合うような恰好を意識してはいる。マァ、自分を知る友人は雇われる側ではなく紹介する側というか、搾取側の迷彩柄でも着た反社勢力の格好だろうと笑われるんだけど。
そこが増えたのには訳がある。ちょいちょい買い物をするデパ地下に期間限定で出店した弁当と総菜屋が気に入った、というかハマったから。尋いたら実店舗が山谷だという。
お気に入りのランチビール店の二軒双方からすぐの場所でもあった。つまり、言い訳が出来たのだ。
テイクアウトのみだが、一番のお気に入りは「豚足」。素茹でを韓国系カラシ酢味噌で食す。1パック、脚が一本分で350円也。
安酒場にしかなかったメニューだが、墨田区の外れの飲み屋では数年前から客層が変わり、出なくなったから止めたと言われ消沈していた。
カウンターのみで町工場の職工しかいなかったが、本やネットで取り上げられ客層が激変し、少し落ち着いたと思ったら近隣のマンションに越してきたのは他県からのサラリーマン層ばかりになったとか。手掴みで食べづらいし、見た目からして確かに敬遠するだろうな。
後は韓国系焼肉店で扱っていたが、冷凍ヤケしている商品で高額だった。それも随分と前だから改善されているだろうが、焼き肉屋での外食自体が自分の人生から消えたから確認できずだ。
個人的には見てくれ重視でない酒の肴の筆頭格で、それが思いがけず復活した次第。
店舗に行くと他にもそそられる商品が多く並んでいたから堪らない。「白コロ」と呼ばれる牛の腸が入ったスープで、ニラと豆腐でも入れれば簡単に「博多風もつ鍋」が再現出来て、醤油とみそ味の二種があり冷凍パック。他には、通常の「煮込み」の冷凍や韓国系のキムチも白菜の他にキュウリ、長芋など数種。当然、全部が自家製。
他にもローストビーフやポークの肉系弁当が数種あり昼過ぎには売り切れ続出。自分の口にはバッチリ合うし、そこで仕入れると数日は自宅の夕餉が豪華になる。これも禍で嫌々自粛を強制されて外飲みが減ったからの功罪である。
ただ別件で、少し不安材料もある。そこに行く途中にお気に入りの食堂があるのだが、そこが長期休業中のまま。
都の要請に関係なくランチビールを提供してくれたが、途中から心無い客が大騒ぎし販売中止へ。その時から自分は不義理の連続て要請解除の時だけビールを求めて来店。するとそのうち休業に入り、時折「宣言明けまで」から「当面」、やがて「もうしばらく」となったまま。
高齢夫婦でお母さんが闘病中とは聞いていた。山谷に行くときは毎回その店の前を通るのだが、シャッターは半分開いているので存命ではあるのだろうが、このままかと不安が増加中。
お気に入りが増えたり減ったり。これがバランスか。ウィンウィンとは中々行かず。
まあ、減る方が多くなるよな。