スコルピオ – SCORPIO(1973年)

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スタッフ
監督:マイケル・ウィナー
製作:ウォルター・ミリッシュ
脚本:ジェラルド・ウィルソン、D・リンテルズ
撮影:ロバート・ペインター
音楽:ジェリー・フィールディング

キャスト
クロス / バート・ランカスター
ローリエ / アラン・ドロン
ザーコフ / ポール・スコフィールド
マクラウド  / ジョン・コリコス
スーザン / ゲイル・ハニカット
フィルチョック / J・D・キャノン
サラ / ジョアン・リンヴィル
ピック / メルヴィン・スチュワート
ゼメトキン / ヴラディク・シェイバル

日本公開: 1973年
製作国:  アメリカ ミリッシュ・コーポレーション作品
配給: ユナイト


あらすじとコメント

前回の「スパイ戦線」(1958)でヒロインをサポートするスパイの上司役を演じたポール・スコフィールド。その彼が再度スパイ役を演じた作品にする。

フランス、パリオルリー空港に到着した中東某国の首相が厳重警備の中、暗殺される事件が起きた。首謀者はアメリカCIAの諜報部員クロス(バート・ランカスター)。実行犯は彼と付き合いの長いプロの殺し屋ローリエ(アラン・ドロン)だ。

その後、クロスはアメリカに戻りローリエは恋人スーザン(ゲイル・ハニカット)と逢瀬を楽しもうとした。しかし、そんな彼にCIAのフィルチョック(J・D・キャノン)が近付いて来て叱責した。

なぜ、クロスも一緒に殺さなかったのだ・・・

諜報組織における権力闘争を描く異色作。

CIAのヴェテラン諜報員が敵に情報をリークし多額の報酬を得ていると確信を得ている上層部。そこでコンビを長く組む殺し屋に殺害を依頼。

しかし、謀略渦巻く裏世界で苦楽を共にしてきたので、そう簡単に情報を鵜呑みにはしない。それでも上層部は殺し屋を正式の諜報員に登用することをエサに、罠にはめてまで遂行させようと躍起になる。

一方のヴェテランも東欧にまで高飛びし、ソ連側の旧知のスパイと接触を持ったりする。

主人公のヴェテランを演じるのがバート・ランカスターであり、本当に単純なる裏切りスパイなのかという疑念をこちらに持たせる。

彼を追う羽目になる殺し屋のアラン・ドロンはクールなノワール佳作「サムライ」(1967)と全く同じ役柄。

要はどうにも混乱しつつの鑑賞である。それでも、本作時60歳という還暦であったランカスターが、ドタバタ感があるものの流石のアクションスターと目を見張る体当たりアクションを披露している。追従するドロンが完全に霞むほど。

それなりにメリハリのある展開なのだが、どうにも設定自体が単純で、もういくつか「ひねり」が欲しかったと感じる。

米ソ双方の巨大諜報組織内での出世闘争には従順派が良いのか、アウトローがベターなのかと投げかける作品なのだが、どちらにせよ非情な世界であり、個人の価値観など何ら必要とされないと押し付けて来る。

それほど非人間性が優先されるし、消耗品としてしか扱われない世界に身を投じることは家族や友人ら周囲をも巻き込むことになる悲劇が伴う。

尤も、そうでなくでは成り立たない世界なのだろうが。

余談雑談 2022年7月16日
またもや逃避行中。今回は北海道で、札幌から旭川へと廻る。 中学からの友人が移住し、旭川からほど近い広大な場所にあるログハウス風の自宅に泊まりに来いとのお誘いからだ。 コロナ騒動前は毎年夏冬に、高校の文化祭で演劇を披露した10名程度の仲間だけ