脂質とストレス。どっちが体に悪いのか。
一度認定されたら不治の病と位置付けられる成人病。肩の骨折時に判定されたから、もう十数年。だが、それなりに留意して生活してるので飲み薬だけの処方で終わっている。
つい先立て、検診に行ったら絶好調と太鼓判を押された。これだけの数値改善は相当頑張ってますね、だと。
でも、ふと思った。要因は週一の『わが心のとんかつ屋』がなくなり、揚げ物でビール・ランチが減った所為じゃなかろうかってね。ということは閉店を匂わせた昨年以降は命懸けて喰っていたのか。
それなら悔いはない。でも、また違う思考に流れる。否や、揚げ物減量でなく、今後は喰えなくなった精神的ストレスで数値が悪化かもよと。
細かい検査数値を眺めながら内科医は、本当に全部改善で、と驚きつつそれでも流石のプロだ。何かサービスしなくてはと考えたのか、その場で血圧を測ると、あれ、少し血圧が高いと仰る。
その日は秋が深まり肌寒い朝。開院前から並び、血液検査でデータ待ち。その直後って、まだ体温が上がりきってないし、寒暖差で血圧って変化しなかったか。
暫く唸って、次回二ヶ月半後も高いと降圧剤の処方かなと、のたまう。おい、それなら今回の低数値で現行の投薬は減らないのと尋きたくなった。まあ、尋けはしないけど。きっとドクターは何でもプラス思考なんだろ。
どうにもビジネスの匂いがするのは、こちらの性格が鷹揚じゃないからだろうが。薬局で二ヶ月半の山のような内服薬を拝領して帰宅するとPCにメールが届いていた。
今年三回目の訪沖の取扱いを依頼した初めての旅行代理店からだ。ネットで最安を探しヒットした先で、詳しい事はスルーだったが沖縄の旅行社。
そこから『嬉し懐かし旅割再開』と宣伝する政府からの旅行に行きやがれの割引が適用になるかもしれぬとの報であった。
あくあまで大雑把ながらシュミレーション付きで、ならばとクリックしてみた。幾つかの質問事項に答えると元々7泊那覇のホテル込みJAL使用で5万2千円の料金が、何と3万4千円程度になるかもよ、まあ運次第だけどてな表示がでた。
一瞬にして不敵な笑いがこみ上げる。ただし確定ではなく、諸々条件付きだ。そこに3回目以降のワクチン接種証明必須があった。
痛い筋肉注射は苦手だし、大手製薬会社のデータ取りのために肉体提供などしたくない。だから接種しないでスルーしていた。
しかし金の為なら話は別。慌てて該当区域の接種会場を検索したが、以前ほど感染者数で大騒ぎしていないからか、接種会場自体が減り、時間帯も午後からのみに。しかもネット予約だと旅行から帰京後の日付受付のみでやんの。
何だかな。既に各県で割引予算終了のアナウンスも流れているし、割引確定ではないと考える。しかし接種は無料だし、運が良ければ割引だぜ。振り子が極端に振れる。
仕方ないと役所に電話。製薬会社や時間帯など交渉の末、何とか旅立ち三日前が予約できた。
接種会場もそれなりに接種者がいたが、流れ作業で終了し通行手形を入手。これで大手を振って訪沖が出来る。ただし、今回の訪沖は完全ノープランのまま。
割引適用となれば史上最安価の旅費なので、どこか離島にでもと思うが、今まで大好きで通った島が、前回の訪問で何とはなく違う路線に流れていると感じ、しばらくは時間を開けたいと。
では別な離島でもと思うが、時期的に良案が浮かばないし、訪問先の宿や食堂などの勝手も解らん。観光客のオンシーズンが終わっていれば、臨時休業かも知れんぞ。
まして怪しいオジサンの独り旅。死に場所探しとは思われないだろうが、コワモテ系風体から新手の地上げ屋には見えるかもしれん。得意の逡巡だが、結論は見いだせず。まあ、どの道、贅沢な悩みだけどね。
なので場当り的に現地の天気と相談してみるか。まさか、結局、那覇市内のみで朝から呑んだくれて終わったりして。
もしかして新規のストレス発生か。向こうで朝からビール飲んで脂っこいもの食べて、成人病数値急悪化になりはしないかと余計な心配が発生中の旅の直前。