ローマ帝国の滅亡 – THE FALL OF THE ROMAN EMPIRE(1964年)

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スタッフ
監督:アンソニー・マン
製作:サミュエル・ブロンストン
脚本:ベン・バーズマン、B・フランキーナ、F・ヨルダン
撮影:ロバート・クラスカー
音楽:ディミトリ・ティオムキン

キャスト
ルシラ / ソフィア・ローレン
リヴィウス / スティーヴン・ボイド
アウレリウス / アレック・ギネス
ティモニデス / ジェームス・メイソン
コンモドゥス / クリストファー・プラマー
ヴェルルス / アンソニー・クェイル
クレアンデル / メル・ファーラー
ソハマス / オマー・シャリフ
ユリアヌス / エリック・ポーター

日本公開: 1964年
製作国: アメリカ サミュエル・ブロンストン作品
配給: コロンビア


あらすじとコメント

引き続きソフィア・ローレン出演作で、歴史スペクタクルにする。栄華を極めたローマ帝国の崩壊を描く超巨編。

ローマ帝国

長く栄華を極めた帝国も領土を広げ過ぎて限界を迎えていた。時の皇帝アウレリウス(アレック・ギネス)は自分の死期が近いと悟り、戦闘好きで暴走傾向の息子コンモドゥス(クリストファー・プラマー)ではなく、長姉ルシラ(ソフィア・ローレン)の恋人で軍総指揮官リヴィウス(スティーヴン・ボイド)を後継者に決めようとしていた。

しかし、そこは権謀術数が渦巻く世界であり、外様に実権を握られては不都合な側近たちが皇帝を暗殺してしまう。

しかも皇帝は死の直前、アルメニアを懐柔するため、娘ルシラをリヴィウスではなく先の国王と政略結婚させることを決めていて・・・

長期の栄華を極めた帝国が崩壊していく姿を描く超巨編。

皇帝から後継譲渡を命令されていた軍司令官だが、筋道が違うと悩んだ挙句にバカ息子に皇位を譲ってしまう。

そこから新皇帝の暴走が始まり皆が翻弄されていくのだが、終盤に主人公である軍司令官の真の思惑や、皇帝の驚愕の真実が明らかにになったりするのでストーリィは妙味がある。

だが、ある程度歴史を知らないと難しい役名のオンパレードだし、現世界と違う呼び方の国名など混乱が加速するかもしれぬ。

しかもローマ帝国の滅亡に関しては諸説あり、その一部で構築されているので東洋人としては理解し難い部分も散見する。

出演者ではギリシャ人の元奴隷から哲学者になる前皇帝の側近を演じたジェームス・メイソンと新皇帝の懐刀で屈強な闘剣士を演じたアンソニー・クェイルが儲け訳。

更に「ベン・ハー」(1959)のラストの競技場における戦車闘争で汚い敵役を演じたスティーヴン・ボイドが本作の主役であり、皇帝のバカ息子と同じ戦車闘争をする場面には笑ってしまった。

また、主演のソフィア・ローレンに監督のアンソニー・マン、製作者のサミュエル・ブロンストンはチャールトン・ヘストンが主演した、やはり歴史大作「エル・シド」(1961)からの続投であり、混乱する人もいるだろうか。

ただし、全体的に「ベン・ハー」や「エル・シド」と比べると主役を含めて弱い気がするのも否めない。

また余談だが、1960年代前半からイタリア製のマカロニ西部劇が登場し、残虐さや薄い内容で本家アメリカ製映画への侮辱だと指摘されたイタリア人評論家が、こう反論したそうだ。「では、なぜアメリカは、我がローマ帝国の映画が作れるのか」と。

つまり金と権力を持った成上り者が世界の正義であり王道なのかと。

本作を観た後だとイタリア人なら、成程、そう言うよなと思いざるを得ないストーリィと作劇である。

どの道、人間は弱い生物なのだと妙な正論で押してくる正統派歴史大作。

余談雑談 2023年2月25日
これもコロナの影響かな。流行当初は恐怖感が蔓延し、旅行やら不要不急の外出を控えた人が増加した。 それによる在宅時間が増え、更にネットで何でも買うような価値観も増長された。しかも熟考する時間も増加し品定めに時間をかけられる。その代わりに、電気