穏やかな晴天で年が明けた東京。元旦の朝は、自室から澄んだ空気の中、上って来た美しい初日の出を拝むと、すぐに地元の神社と寺に初詣に。それだけだ。
後は、元日から開けている店に、顔を出して一杯づつのハシゴ酒。例年通りとはいえ、何とも退廃的な一年の始まりであった。
それ以外は、毎日実家へ出向き、タバコ自販機の補充。好天の所為か、三箇日に休みが集約されたからか、すごい人出であった。
しかも、やれ祭だ花火だ、サンバ・カーニバルと、やたらと道路封鎖が好きな地元は正月も歩行者天国になり、通常と違う迂回ルートで実家まで行かなきゃいけないので面倒。
しかも、テロ対策なのか、車道を塞ぐように機動隊車両が横付けされ、間違っても車両を突っ込ませないぞ、という何とも異様な光景が晴天の下で拡がっていたのが印象的。
余計な東京オリンピックに向け、今後もこのような光景が日常化するのだろうかと思うとゾッとする。
テレビでは、クラシック映画が数多く放送されて、録画しては観るかダビングするかに明け暮れた。ほとんどがワンコインで買えるがそれでもタダに勝るものはなし。
また、「刑事コロンボ」の再放送もあり、懐かしさとワン・パターンの筋運びに苦笑しながらも見入った次第。
TVのワイドショーでは、寿命100歳時代に突入かと、嬉しいような悲しいような複雑な心境に陥る放送もあった。
クラシック映画の途中で挿入される通販CMでは、様々なアプリで実年齢に見えないお元気御長寿さんが登場し内心、閉口。
若く見えるのと、若作りは別だとも思うが、それだって個人次第だ。「もう、若くなくて幸せだ」と言ったのは、「恋の手ほどき」(1958)でのモーリス・シュヴァリエだったか。
確かに、元気で長生きは素晴らしいとも思うが、自分の人生を振り返ると気分が重くなるのも事実。なので知人に、長生きしたくないねと告げたら、笑って、そういう奴が長生きするのさ、と釣れないお答え。どうせ、今年も後ろ向きな人生か。
まあ、懲りずに本年も、お付き合いくださいまし。