風と共に散る – WRITTEN ON THE WIND(1956年)

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スタッフ
監督:ダグラス・サーク
製作:アルバート・ザクスミス
脚本:ジョージ・ザッカーマン
撮影:ラッセル・メティ
音楽:フランク・スキナー

キャスト
ウェイン / ロック・ハドソン
ルーシー / ローレン・バコール
ハドリー / ロバート・スタック
マリリー / ドロシー・マローン
ハドリー氏 / ロバート・キース
ミリー / グラント・ウィリアムス
ウィリス / ロバート・J・ウィルク
ウェインの父 / ハリー・シャノン
コクレン医師 / エドワード・プラット

日本公開: 1956年
製作国: アメリカ パラマウント作品
配給: ユニバーサル


あらすじとコメント

前回の「1941」(1979)で、戦時下なのにアニメ「ダンボ」(1941)が、防衛よりも重要と泣きながら見ていた司令官を演じたロバート・スタック。一番有名なのはTVドラマ「アンタッチャブル」(1959~63)のエリオト・ネス警部役だろうか。そんな彼が出演したメロドラマの佳作を選んでみた。

アメリカ、ニュー・ヨークテキサスに本社を置く石油会社の社員ウェイン(ロック・ハドソン)は、系列の広告代理店の重役秘書ルーシー(ローレン・バコール)と知り合い、興味を持った。

何とか彼女と親しくなりたいと感じた彼は、子供時代からの友人を紹介すると酒に誘った。だが、その友人は彼女の勤務する親会社である石油会社の御曹司ハドリー(ロバート・スタック)であった。

驚くルーシーだったが、ハドリーは彼女に一目惚れし、金と権力にモノを言わせ、いきなり、このまま三人で旅行に行こうと誘う。狐につままれた態の彼女だが、ウェインの心配を余所に応じた。何故なら、ハドリーの心に闇を感じたからだ。

そして到着先のホテルはスイート・ルームが既に予約してあり、多くのドレスからハンド・バッグまでが用意されていた。ハドリーは自分の本気度を見せたいのだろうか。

着替えてレストランで落ち合おうと約束して二人の男はレストランへ向かう。だが、一向に彼女が現れないので部屋に行くハドリー。

しかし、そこに彼女の姿はなく・・・

ドロドロの昼メロ的内容ながら、端正に作られた好編。

メジャー級の石油会社のバカ息子。そんな御曹司と幼馴染で何故か親友にして社員でもある主人公。そして女性秘書。

そこに御曹司のワガママ妹が複雑に絡んで進行する愛憎劇。

そもそもは、主人公が興味を惹かれたから、親友の御曹司に紹介。そ奴の求婚を断ると信じながらも結婚されてしまう。

そして、尻軽女の御曹司妹は、主人公が相手してくれないからと拗ねて、それでも振り向かせようと手段を講じ続ける。

まさしく前時代的進行。通常であれば、どうしようもない昼メロ的内容だ。

ところが、そういうありがちな内容にも関わらず、飽きさせずに観て行けるのは、やはり監督であるダグラス・サークの力量であろう。

しかも、当時の、ではあるが、総天然色で、あまり奇を衒わず、それでいて計算された流麗な画面構成と色調。そして、どこか甘ったるい音楽の挿入というアメリカ的手法。

やはり、不倫メロドラマの秀作であるデヴィッド・リーンの「逢びき」(1945)が、いかにものイギリス映画的作風であることと比べれば、お国柄の違いを感じられるだろう。

双方とも、内容はベタベタのストーリィながら、監督の手腕によって、どれほど印象に残る作品となるのか。

色彩を意識したサーク監督の手腕には恐れ入るし、ベタベタな内容をベタな手法で見せつつ、強く印象付けるのは流石である。

些か長尺さを感じさせるが、それでもアメリカのTVで「ソープ・オペラ」と呼ばれたメロドラマの先駆け的監督として再評価され、ゆえにスポットを浴び、DVD等で鑑賞できることは嬉しい限りでもある佳作。

余談雑談 2017年7月29日
盛夏の酔狂な温泉旅行。同じ場所に、この一年間で三回目だ。同じ宿に泊まり、同じ飲食店で二回のランチ。 自分を含め、四名は三連続参加で、評判を聞いて、是非にとの申し出のあった新規二名の計六名。 今回のメインは、ランチ時の「山椒魚」の調理法。表メ