日頃は引き籠りがちな自分だが、先立て、上野の森に行ってきた。
何やら、世間の夏休み気分に影響されたのでもなかろうが、この前の文京区といい、妙に立て続けに出掛けている感じ。とはいっても、遠出という距離でもないのだが。
理由は、知り合いの若者が、何とかいう美術展に入選し、展示されると聞いたからである。まあ、祝い事だし、入場無料で場所も近いし、ならば付き合いかと。
考えたら、地元から程近いが、何年も足を踏み入れてない場所で、お目当ての東京都美術館は初入館。
アートの匂いが充満し、来場者も老若男女が数多くいて、幾つもの展示を併設開催していた。
知人の会場は、その中の一つで、どうやら美術系企業が催した展示会で、素人ばかりの入賞展。抽象画から精密画、水彩と油彩。
映画は解るが、絵画は門外漢だ。一通り見てみたが、素人らしく、どうにも訴えてこない作品が多いと感じたが、それはこちらの感性の劣化だろうな。
興味深かったのは、偉そうな人物がいて、人だかりが付いて廻り、ひとつひとつの作品の感想を述べつつ解説していて、傍らには画家本人が恥ずかしそうに立っていたこと。
あとで知人に尋いたのだが、画家ではなく、美術評論家の大家らしかった。
自分も映画評論家気取りではあるが、お偉方の話を少し聞いてみたが、取ってつけたような解説てな印象だった。確かに精密画や抽象画など、各々、印象が違うし、画家が表現したがっている発想も様々。それらを全部評価して廻るのも大変だろう。
後は、個人の感性、感覚の違いもあろうが、自分と違う印象を述べていたりで、複雑な心境に。確かに、自分だって、すべてのジャンルの映画を解説なり、評価することは不得手ではある。
それでも、素人入賞者相手にそれらしいことを上から目線で滔々と述べる。まさに、我が振り直せと感じた瞬間でもあった。
まあ、映画以外の芸術に触れただけでも収穫だよなと思いつつ、100円の区内循環バスで、ノンビリ帰宅した頃は、雨模様。
今年らしい『夏休み』的思い出か。