パリは燃えているか – PARIS BRULE-T-IL ?(1966年)

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スタッフ
監督:ルネ・クレマン
製作:ポール・グレッツ
脚本:フランシス・F・コッポラ、ゴア・ヴィダル
撮影:マルセル・グリニョン
音楽:モーリス・ジャール

キャスト
モランダ / ジャン・ポール・ベルモンド
デルマス / アラン・ドロン
コルティッツ将軍 / ゲルト・フレーベ
ガロア少佐 / ピエール・ヴァネック
ノルドリンク大使 / オーソン・ウェルズ
パットン将軍 / カーク・ダグラス
ビジアン軍曹 / イヴ・モンダン
カルチャー中尉 / ジャン・ピエール・カッセル
サージ / ジャン・ルイ・トランティニャン

日本公開: 1966年
製作国: フランス・アメリカ セヴン・アーツ他作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

パリで繰り広げられる若者たちの群像ドラマ的人間模様。今回も若者たちを主にした内容で第二次大戦下、いかに彼らが奔走しパリを解放したかを描くオールスター・キャストの大作。

フランス、パリ1944年8月、フランスを占領するドイツはノルマンディー上陸後の連合軍の進撃により、劣勢に追い込まれていた。そこでヒトラーは、パリ守備司令官としてコルティッツ将軍(ゲルト・フレーベ)を新たに選任した。彼の任務には、いざという時にはパリ全市を破壊せよという厳命が伴っていた。

一方、抵抗勢力としてレジスタンス活動を続けるデルマス(アラン・ドロン)や、連合軍側に参戦しているドゴール将軍派のモランダ(ジャン・ポール・ベルモンド)などが、互いを牽制しつつパリ解放を模索していた。

しかし、それには連合軍の協力が必要であったが、連合軍側は早期の戦争終結のためにはパリを迂回して進撃することになっていた・・・

いかにしてパリが解放されたかを描く大作戦争映画。

4年に渡るドイツ軍の占領で、パリ市民たちのストレスも限界。中には市民たちによるレジスタンス活動もあるが、武器弾薬も圧倒的に少なく、所詮多勢に無勢の状況。

とはいえ、劣勢に追いやられていたドイツ軍もパリに回す増軍もなくて手一杯。

レジスタンスには、ドゴール将軍を主軸にした「保守派」と、共産主義支持者たちの「左派」からなる、異なる二グループあるが、どちらもに強力な主導者が、パリには不在中。

だからか、若者たちは勝手に武器調達をしようとしてドイツ側に騙され大量虐殺されたりする。

やはり連合軍側の進軍が必要不可欠の中、遂にレジスタンス側が、警察署や市庁舎に立て籠もり決起するという進行。

説明的内容も多く、結果として3時間の大作となっている。実際のドキュメンタリー映像を交え、パリ市内で大規模ロケを行い、当時の模様が再現されていく。

ノートルダム寺院前に戦車が陣取り戦闘シーンが繰り広げられたりするが、あれほどの歴史と文化の街を傷付けるわけにも行かず、実際の建造物には一切無傷で、となるよう描かれるので、わざとらしさが際立ち、些か興ざめする。

それでも、セット部分は派手に破壊したりしてメリハリあるリズム感を一定させようとするクレマン演出は好感が持てる。

やはりオールスター・キャストによる戦争大作という点で「史上最大の作戦」(1962)と比べられる本作だが、フランス側の地味な中堅派が多く、アメリカ側に大物感がないので、その点でも損をしていると感じた。

そんなキャスト陣の中ではパリ防衛司令官役のゲルト・フレーベが一番おいしい役どころだろう。

彼がいなければパリは焦土と化したのだから、敵ながら天晴れという描かれ方をする。

他にも登場シーンは少ないがドロンやベルモンド、イヴ・モンタン、アンソニー・パーキンス、ジョージ・チャキリスなど女性ファン向けのキャストも配し、それぞれに見せ場を設けているので飽きはしない。

虐げられてきたパリ市民が解放され、自由を謳歌できるようになるまでという実話だが、ストレートにこちらの感情が昇華しないのは、やはりフランス映画的作品だからだろうか。

余談雑談 2016年7月30日
ようやく東京も梅雨明けした。今年は空梅雨だったが、それにしても妙に感じることがあった。 先々週からセミが鳴いていたのだ。てっきり梅雨が明けてから鳴き出すとばかり思っていたが、しかも一、二匹ではなく、かなりの数。それも、いくつもの場所でだ。