遠い空の向こうに – OCTOBER SKY(1999年)

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スタッフ
監督:ジョー・ジョンストン
製作:チャールズ・ゴードン、ラリー・フランコ
脚本:ルイス・コリック、ホーマー・ヒッカム Jr
撮影:フレッド・マーフィ
音楽:マーク・アイシャム

キャスト
ホーマー / ジェイク・ギレンホール
ヒッカム / クリス・クーパー
ライリー先生 / ローラ・ダーン
クエンティン / クリス・オーウェン
ロイ・リー / ウィリアム・リー・スコット
オデル / チャド・リンドバーグ
ホーマーの母 / ナタリー・キャナディ
ジム / スコット・マイルズ
ターナー校長 / クリス・エリス

日本公開: 2000年
製作国: アメリカ ユニバーサル作品
配給: UIP


あらすじとコメント

少年の物語。今回は犯罪絡みではなく、まさにこれぞアメリカン・ドリームの体現という感動ドラマにした。実話に基づいた田舎町の人間たちの心意気を描く佳作。

アメリカ、ウエスト・ヴァージニア1957年10月、炭鉱町コールウッドに17歳になる高校生のホーマー(ジェイク・ギレンホール)がいた。彼は花形フットボール選手の兄や、炭鉱で監督を務める父(クリス・クーパー)らと平和に暮らしている。ただ、炭鉱しかない場所で、卒業後は炭鉱夫になるしか道はない。つまり将来は決まっており、仕事に誇りを持つ父も、当然だと思っている。

そんなとき、ソ連が世界初の衛星スプートニクの打ち上げに成功し、地上から肉眼で見えるという情報が入ってきた。

娯楽がない場所なので、町民総出で衛星を見物しようと空を見上げていた。一応、集まってみたものの、友人らとたわいもない話で過ごす方が楽しいと思っているホーマーには大して興味がないことでもあった。

だが、満天の星空の中で一直線に光跡を遺しつつ飛ぶ衛星を見た瞬間・・・

閉鎖的な場所で人生の目的を見いだす少年たちを描く佳作。

将来に夢も希望もない高校生。誰もが貧しいため、大学に行けるのはスポーツ特待生だけに与えられる奨学金受給者のみ。肉体的に恵まれていない主人公は先が知れている。

そんな彼が夜空に浮かぶ衛星の一筋の光跡を見たことから、ロケットを飛ばすという夢を見いだす。

それからの行動が驚く。完全なオタクで、学校の鼻つまみ者である同級生に近付き、ロケットが飛ぶ仕組みを尋き、仲間に引き入れる。元々の仲良しの二人も同様だ。

そんな彼らを精神的に支え鼓舞するのは女教師。高校生発明コンクールで地区優勝から全国大会で一位になれば奨学金がでると。

一方で、炭鉱で働く父は正反対で、何をおかしなことをやりだし、もっと現実を見ろと接してくる。

当然、軋轢が起きるが、正面切って反抗できない主人公。彼から見るとスポーツ特待生になった兄ばかりを贔屓しているようにも見える。

それでも自分なりに突っ走ろうとするが、所詮、高校生らの戯事。

次々と失敗をして、結果、ロケットの落下で山火事を起こしたと警察が来て学校内で全員が逮捕されてしまう。

更には、父が炭鉱事故で重傷を負い収入が無くなるという展開。

夢を持ったが良いが次々と災難が降りかかる展開である。

そういった艱難辛苦を乗り越え、アメリカン・ドリームを勝ち取っていくという感動ストーリィで、とても素直な進行をみせる。

要は、誰が見ても解りやすく、奇を衒うショットや思わせぶりなサスペンスも喚起しない。

ある意味、昔の作劇。故に高校生らのストレートな感情と成長が、こちらの胸に迫ってくる。

何といっても不器用で炭鉱の仕事に誇りを持つ父親役のクリス・クーパーが見事である。感情を上手く表現できず、それでいて頑固。

狭い炭鉱町で生涯を閉じることに何の躊躇いもなく、子供らも当然、自分の背中を見て生きていくと信じている。だから次男の行動が信じられない。

だが、夢は必ず叶うという思春期の青年たちが成功を夢見て成長して行く姿に、忘れていた感情を喚起させる観客も多いだろう。

ラストに、実在の人物たちが写しだされる8ミリフィルムに、本作がまったくの絵空事ではなかったという重みを感じさせ、胸にこみ上げるものがある佳作。

余談雑談 2016年9月24日
気が付けば秋。セミの鳴き声が消え、秋雨が長く続く。 そんな中、沖縄で知り合ったタクシー運転手氏が来京した。元々は別な運転手氏と懇意にしていたが、独立して中国富裕層相手の観光会社を設立し大儲け。それで後任として紹介された御仁だ。 スキューバの