気が付くと黄金週間真っ最中である。ずっと天気も良く、地元の有名観光地は連日、閉口するほどの人出。
なので、こちらは例年通り、DVDをしこたま借り込み、内弁慶を決め込もうと。で、わざわざ渋谷の大手レンタル店まで出向いたが、考えていることが同じなのか、探していた旧作は、ほぼ貸出し中。
しかし、流行とは恐ろしいもので、店内の品揃えの変動には目を見張る。韓流ドラマに始まり、現在は海外TVドラマばかりで、個人的に好きな作品は、人気がないのか、取扱い中止となっていたりと落ち込むことも多い。それでも、6本ほど借り込んだ。
実家のタバコ屋は、母と相談して、カレンダー通りの営業と決めてある。このところ、母の高齢化の所為もあり、実家のタバコ屋にいる時間が長かった。
なので、気が付かなかったのだが、一日中、自分の住む部屋にいて、妙に窓の外が騒がしいので見てみると、何と、室外機にスズメの巣が出来上がり、どうやら子育てまでしているようだ。
以前も、二度ほど巣作りの形跡があったが、こちらに気付いて放棄した。しかしまあ、余程、ビルの9階側面に設置された室外機が好条件なのだろう。
驚かさないように、そっと見てみると、室外機の本体内部ではなく、エアコンと繋がるホースに被さるキャップ部分の隙間での巣作り。
これならエアコン動作に問題なかろう。しかも、今更、子育てを放棄させるのも忍びないしな。
ふと、母親の実家である茨城の田舎で見たツバメの巣を想起した。築百年近い木造家屋で、土間のある玄関の天井の梁に、毎年、ツバメがやって来ては巣作りと子育てをしていた。
時折、頭上をかすめ飛んで親が餌を運んでいき、食べさせていた。その時も、室内に子らの鳴き声が響きうるさかった記憶がある。
当時と同じ鳴き声を、数十年振りに大都会の窓越しに聞くことも愉悦ではないだろうか。
一歩、表に出れば、すごい人。雑踏の人いきれに飲み込まれるよりも、鳴き声を聞きつつレンタルDVDを鑑賞し、原稿に起こした方が性に合っている。
すでにメルマガ用のものは40本以上も書き上げてある。この期間で、どれほど筆が進むのだろうか。まあ、キーボードで打ち込むだけだけど。