情報(ねた)は俺が貰った – LE GORILLE VOUS SALUE BIEN(1959年)

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スタッフ
監督:ベルナール・ボルドリー
制作:ジャン・モテ
脚本:アントワーヌ・ドミニク、ジャック・ロベール、B・ボルドリー
撮影:ルイ・パージェ
音楽:ジョルジュヴァン・パリス

キャスト
パケ / リノ・ヴァンチュラ
バルトミュー大佐 / シャルル・ヴァネル
ヴェスロ / ピエール・デュクス
イゾリーヌ / ベラ・デルヴィ
ブラヴェ / ルネ・ルフェーヴル
カーザ / ロベール・マニュエル
モリセ / アンドレ・ヴァルミ
ベルチェ / イヴ・バルザック
パロス / アンリ・クレミュ

日本公開: 1960年
製作国: フランス パオル・プロカン・フィルム作品
配給: 大和フィルム


あらすじとコメント

今回はフランス製のスパイものというか、どうせならと些か意匠の変わった潜入モノにしてみた。ただし、ジェームス・ボンドが銀幕に登場する前の作品にして、時代性とフランス製というのが特徴的な作品。

フランス、中央部ムラン闇ドル売買で収監されていたパケ(リノ・ヴァンチュラ)は、刑務所から脱獄し、手引きした仲間と隠れ家に向かった。

ところが腐臭を感じ、戸棚を壊すと拷問された仲間の死体がでてきた。パケは、おそらく犯人は、かつて仲間だったが別組織に寝返ったカザ(ロベール・マニュエル)に違いないと推理した。すぐに仕返しに向かおうとした仲間を抑えるパケ。何か考えがあるようだ。

しかし、仲間は彼の制止も聞かずカザの根城「大鹿亭」に乗り込んで、結局、殺害されてしまう。

流石にキレたパケは、「大鹿亭」に乗り込むが・・・

秘密諜報部員ならぬ、秘密警察官の活躍を描く大人気シリーズ小説の映画化。

身長175センチ、胸囲140センチで超人的体力を持つ男。職業は秘密警察の潜入捜査員。通称は『ゴリラ』である。

それを演じるのが、大のご贔屓俳優リノ・ヴァンチュラだ。しかも、脇役から出世した彼の主演第一作。

元ボクサーでヨーロッパ王者から転身した彼としては、成程、上手いキャスティングではある。ただし、ボクサーゆえ、重いパンチは迫力があるが、俊敏なアクションは無理というのが、苦笑いを禁じ得ないのだが。

内容は、潜入捜査の仲間が次々と殺され、闇ドル売買の首謀者をあぶりだすものだが、はっきりいって、どうでも良い程度。

あくまでも、当時の限定された娯楽の中のひとつである『映画』として楽しむ娯楽アクション。

車同士の銃撃戦やら、建築現場の足場を軽々と鉄棒よろしく飛び移ったり、マシンガンで気ままに何人も殺害したりと、荒唐無稽なアクションの連続。

そもそも、怪力の持ち主ゆえ、刑務所からの脱獄も鉄格子を手でこじ開けるという次第だし、敵に捕らえられて鎖で柱に縛り付けられても、怪力で鎖を引きちぎる男だ。

コメディ以外の何ものでもなかろう。しかし、ヴァンチュラがふてぶてしく演じているから面白いのである。

本作の好印象でヴァンチュラは、以後も、コメディなのに、タフに真面目に、敢えてコメディ演技を用いないで演じていくというタイプの作品が多いのも事実。

その多くが日本未公開なのは残念であるが、何本かは観たことがあり、面白い作品のほとんどは監督がジョルジュ・ロートネルであった。

本作はベルナール・ボルドリーという監督が演出しているので、やはり、相性がやや違うという印象。

尤も、ヴァンチュラの主役第一作であるので、仕方ないのかもしれないが。

華やかな金髪美女が登場したり、治外法権を駆使する悪党だったりと、当時としては当然という展開ではあるが、何とも珍妙にして興味深いのが、主人公「ゴリラ」の上司。

この役を演じているのが、名脇役のシャルル・ヴァネルというのが見所かもしれぬ。ヴァンチュラ以上にふてぶてしく、部下などは使い捨ての駒というスタンスなのだが、それでいてチャーミング。

いかにも50年代終わりの、大雑把で、端折り感満載のフランス製娯楽作品。

余談雑談 2015年5月16日
台風が来たり、真夏日一歩手前とかどうにも季節の前倒し感が強い東京。 そんな中、毎年変わらずに同じ時期というのもある。地元で催される「三社祭」である。 先週から、東京では夏祭りが始まった。毎年、催される下谷神社と、二年に一度の神田明神の祭が口