久し振りに昨日から晴天の東京。これで少し、傘を休ませられるか。
個人的には、どうにもビニール傘が苦手なので、それなりの価格の傘を購入し、長年愛用することにしている。
かなり昔だが、何故か妙に傘にこだわり、何本も購入し、使い分けるという道楽があった。親骨が曲がったり、折れたり、価格に見合わず劣悪品だったりと破棄したものも、少なからずある。それでも、長年、仕舞ったまま使用もせず、ほぼ忘れていたものもある。
そんな一本。イタリア有名ブランドの傘で、生地のデザインが素晴らしくて高額で購入したものがある。だが、その生地が綿素材で、コーティングされておらず、雨に濡れると水分を吸って、ズッシリと重くなる代物。
ベースが白地で、汚れが目立っていたので長年放置していた。暫く振りに開いてみると、巻いてある部分の汚れが偏って、更に酷くなっていた。しかし親骨などは劣化しておらず、錆びも浮いていない。
捨てるには惜しいよな。こういう気持ちが起こると始末に悪い性分。気泡で汚れを取る洗剤があるので、一晩、バスタブに漬け置きしてみた。
翌日、それをタワシで洗ってみたら、随分と見栄えが良くなった。ところが、柄の部分のニスも剥がれてしまっていた。それほど、強力な製品ということだろう。
部屋の木製部分の再塗装用に買ったニスが若干残っていたはずだ。そう思いつくと、心はニヤニヤしてしまう。遥か昔の学校時代の技術工作を思い出した。
開いたまま風呂場で生地が乾くのを一日以上待ち、紙やすりでニスの残存部分をこそげ落とし、続いて、親骨等の可動部分の油分も落ちているかもと思い、潤滑油を綿棒で塗った。
更に一日置いて、ニス塗りをしながら、他にも何か出来ないかと考えた。折角、マシになったことだし、生地に防水スプレーでもしてみるか、と。
少し前、地元にも安さを謳う有名量販店ができた。実家の店番の帰路、そこに立ち寄り、防水スプレーを探した。価格が解らなかったが、最新強力との記載があり、そこそこの大きさでもあったのでレジに持って行ったら、何と1500円もした。安売りを謳っているのに、ちっとも安くないじゃないか、とモゴモゴと口先で呪った。
折角、買い求めたし、吹き付けて一晩置いた。そうしたら、晴天である。というよりも、使うのがもったいなくなった。
何だか、楽しい一週間であったが、これじゃ、本末転倒だよな。