先週の土曜日。東京では半世紀ぶりらしい大雪が降った。どこかの雪国の吹雪かと思えるように降り積もる雪は、自室の窓からいつも見える最長電波塔を完全に視界から消し去った。大して離れていなのにである。
翌日の日曜は快晴で、昼前に母の住む実家へ向かった。タバコ自販機の補充もあったが、それよりも家の周囲の雪かきが目的。ところが、母親は友人と、どうやら旅行に行ったらしく留守。当然、家の周りは雪だらけである。
スコップを取り出し、作業にかかる。近隣の人々が、各々の家の前を、既に雪かきを終えていたり、挨拶を交わしつつ一緒にしたり。
流石に下町だと感じる瞬間でもある。近隣に住む人たちは、自分の家の前を清掃するのは、日常的に当然という態だ。見廻すと通りの半分以上が、けもの道程度であるが、除雪が済んでいて、そこを子連れで歩く人の姿もある。
お年寄りしかいない住宅は、隣の人が除雪したのだろうか。本来であれば、こちらの実家も独居老人の家である。しかし、自分の存在がある以上、こちらでせよ、ということだろうな。
ただし、スナックなど夜の営業の店の前は積雪を放置したまま。気にはなるが、こちらも運動不足であっという間に疲れ果て、そこまで手が回らぬ。
太陽の暖かさもあって、汗をかいた。こういうときは雪見温泉だよなと、想像だけは駈け巡る。
取り敢えず熱燗だなと、以前から気になっていた蕎麦屋に向かった。ところが定休日。ならば、と近くの立飲みのイタリアン・ワイン屋に行くと、そこも臨時休業。まったく散々な日曜の午後。
当然、その晩は腰が痛くなった。やっぱり、こういうときは熱燗と温泉だよなと恨めしく思うのが関の山。
そんなことを思っていたら、またもや昨日も大雪が降った。ただし、これから雨に変わるので、もしかしたら雪かきは必要はないかもしれない。それを祈るばかりだ。
そんな毎週雪かきじゃ、体が持たぬ。それにしても、雪が多い地方の方は大変だろうな。