余談雑談 2014年8月16日

お盆休み中だ。こちらは術後療養中で、洗顔と洗髪不可中。とはいっても、流石にこの時期は困る。

仰向けで誰かに洗髪してもらうのはOKと聞かされてはいた。それには、美容室だよな、と近所の数店を見比べた。ところが、たかが髪を洗うだけで1500円前後もする。ロングヘアなら納得も行くが、こちらは10センチもない短髪。

当然、こういう時の諦めは早い。で、何とかできぬかと考え、思い付いた。夏休み中のドクターには内緒だが、100円ショップに行き、水中メガネを購入し、流し台で洗髪してみようと。

これが正解。顔は、脂取りシートの類で何とかなる。嬉しくて、銀座方面まで出向いた。

久し振りに覗いた高級ブランド店。シャツ一枚が3万円以上もするので買えはしない。

ただ、そこの店長が昔からの知り合い。40歳前半だろうか。彼が新人のころから顔見知りで、転勤や出向を繰り返し、店長になった男だ。

次は、本店の店長だね、というと、自分ごときは、まだまだですと謙遜した。しかし、その顔には上昇志向が見て取れた。

自分とは違うタイプ。そんな彼は、電車に乗る時は立ってます、と言ってきた。こちらが、お盆休みで電車が空いていて助かると言った返答だ。彼なりの正論なのだろう。

そこで、『ヘソ曲がり』の性格が鎌首をもたげた。絶対、どんなに空いていても坐らぬのかと。そうしたら、周囲の状況を見て座る、と。

何だ、結局は坐るのね。ならばと、君よりも若い人間らが、ダッシュして来て座る光景を見たことがないかと。彼も、苦虫を噛み潰したような顔をして、同意した。事実、目の前の席が空いても、自分が座らないと、近くにいた若者が、平然と座ることがあります、と。

ならば、そういう時は君自身が座り、譲るべき人が来たら、席を譲ったらと。少なくとも、そういう若者は席は譲らんだろうから。

彼は困惑顔。考えてもいなかったのだろうか。

とはいえ、自分は坐るタイプだし、他人に席を譲る人間でもない。

てなことは、彼には絶対に言うまい、と思った夏の昼下がり。

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