プリティ・リーグ – A LEAGUE OF THEIR OWN(1992年)

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スタッフ
監督: ペニー・マーシャル
製作: ロバート・フリーンハット、エリオット・アボット
脚本: ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル
撮影: ミロスラフ・オンドリチク
音楽: ハンス・ジマー

キャスト
ドゥーガン / トム・ハンクス
ドティ / ジーナ・ディヴィス
キット / ロリー・ベティ
メイ / マドンナ
ドリス / ロージー・オドネル
マーラ / ミーガン・ガバナー
シャーリー / アン・キューザック
ローウェンスタイン / デヴィッド・ストラザーン
ヒンソン / ビル・プルマン

日本公開: 1992年
製作国: アメリカ、パークウェイ・プロ作品
配給: ソニー・ピクチャーズ


あらすじとコメント

アメリカ人が大好きであり、映画でも人気の題材で、作品も数多い「野球」。その中でも前回に引き続いて、ある意味、「異種」の野球映画で繋げてみた。

アメリカ、オレゴン。1943年、第二次大戦が激化してた時期。多くのメジャー・リーガーが戦争に従軍し、選手数が激減して開催できない事態に陥り、代わりに「女性だけの」野球リーグが誕生しようとしていた。

そんな時期、農家の娘ドティ(ジーナ・ディヴィス)と妹キット(ロリー・ベティ)の元に、女性リーグのスカウトがやって来た。地元でプレイする二人が、一応、お眼鏡に叶ったのだ。乗り気な妹は目を輝かせるが、亭主を戦場に送られているドティは困惑する。それでも、このまま田舎で乳搾りして一生を終えるのは嫌だという言葉に動かされ、シカゴに向かった。

そこには場末のダンサー、メイ(マドンナ)など、全米からオーディションを受けに来ていた多くの女性が集まっていた。倍率の多さに驚くドティらが、何とか、パスし「ロックフォート・ピーチス」への入団が決まる。

チームを率いるのは元人気メジャー・リーガーだったドゥーガン(トム・ハンクス)。しかし、このドゥーガンという男は・・・

実在した女性リーグをベースに、人生を激変させていった人間たちを描く作品。

男たちは戦争に従軍し、女性たちは『銃後の守り』として国内で懸命に生きていた。それが、結果、「専業主婦」が当たり前の時代から、様々な分野で女性が社会進出を果たしていった時期でもある。

そんな中でも「野球」は男性のスポーツ。そこに眼を付けたのが、金儲けにアンテナを張り巡らしている企業家。しかも当然、男尊女卑だ。だから、『美人』で『スタイルが良い』女性たちばかりを集め、セクシーなコスチュームを着させる。

完全に「見世物」としての発想である。ゆえに合格したのは、野球の実力もさることながら、見てくれ重視ばかり。

だが、性格や抱えている人生は実に個性的な面々だ。

そんな彼女たちを率いるのはアル中の元大リーガー。彼も男尊女卑というか、プライドばかり高く、女などに野球が出来る訳がないと思っている。

当然、すべてがギクシャクしながら、全米をハード・スケジュールで移動し、プレーしていく。

その中で、各々の人生が描かれる。コメディ要素あり、感動場面ありとメリハリに気を配った作劇である。

しかもペニー・マーシャルという女流監督の手によるものなので、女性心理などは良く描かれているが、男性主眼のシーンでは、いささか首を傾げたくなる点も散見する。

どこか手慣れた職人監督のように作りたいという願望も見え隠れするし、オリジナリティにも色気をだしている進行もある。そこに、不思議な雰囲気が漂う。

時代背景や登場人物が多いということが、いささか趣が違うが、「アメリカン・ニュー・シネマ」の雰囲気も漂う。

女性であるという特権と劣等感。しかし、それは元大リーガーの監督とて同じである。ほのかな思慕や、家族愛。そして女同志ゆえの妬み。

数人にしかスポットを当てられないのは当然だが、それでも個性的なサブキャラたちがバランスを上手く取っていると感じるし、歌手として有名なマドンナが、それなりに頑張っているのも興味深い。

個人的にはもう少し、余計な部分をカットしても良かったではと感じるのだが、それでも、好きな映画の部類に入る。

しかし、つくづくアメリカ人は野球が好きなのだと再確認させられる作品。

余談雑談 2011年9月3日
今回の台風。 幸運にも自分の住む地域ではほとんど雨も降らず、どこか肩透かし。一方で、直撃、上陸の場所の方々は、大変な御苦労をされているだろう。 「対岸の火事」と言うつもりはない。実は、「水」の恐怖を体感する事が起きた。 東京は、先週の金曜日