余談雑談 2012年4月28日

先週末は山形に行った。

大好きで30年近くも通う酒場の母娘が初めて企画した常連限定の一泊旅行で、そこのお母さんの実家である温泉地。

実は以前も、そこの母娘の御好意で、何度かご実家まで顔を出したが、この数年まったく行ってなかった。到着するとすぐに、お母さんの義姉さんに、簡単に挨拶もし、夜は米沢牛をこれでもかと堪能した。

だが、曇天だし、冬が長引いた所為で名物の桜はまったく開花しておらず。それでも、高台にある神社から眺めた、雪が残る飯豊連峰は見事で、満開の桜越しに、その光景が見られたならば、さぞかし絶景だろうと思ったが、それは夢の中でということであった。

しかし、何といっても、一番の驚きは、同行した『常連』たちが、想像以上の猛者集団であったこと。個人的には口開けの早い時間にしか店に顔を出さないので、ほぼ初対面の方々。

店の周囲は、東京大空襲で大打撃を受けた町工場が林立する地域で、未だにスーツを着るようなサラリーマンはほぼおらず、職工、引き売り灯油や産業廃棄物の回収専門のドライバーたちが多数。

そんな常連たちは午前8時の出発後すぐに車内で飲酒し始めるは、当然、禁煙なのにまったくお構いなし。中には、前日の酒が残ったまま千鳥足で参加して来た御仁もいた。

無礼講状態の常連たちに文句を言いつつ、見事に捌く母娘を見て微笑ましく感じた。流石、下町の名店の酒場を切り盛りする実力があると。昨今は、テレビや本にも載り、場末感たっぷりの店に似合わない見知らぬ客も増えたが、これこそが「昭和」なのだろう。

でも、この常連たちを見たら、ネット情報等で、来店した客たちは圧倒されるだろうな。

まあ、それも『店に歴史あり』なのだろうが。

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