街中で祭囃子が聞こえる。
浅草の『三社祭』である。昨日は街を「宵宮」が練り歩き、更に今日は全町会の神輿が浅草寺裏に集結し、明日は三基の「本社神輿」の町内御渡と続く。
地元であるし、若い頃は、熱い心で担ぎもした。だが、現在は、まったくのスルーだ。地元の友人たちは、頭髪が後退したり、腹を突き出して、町会役員として、神輿の近くを練り歩いている。
毎年ここで愚痴っているが、あくまで神輿には神様が入っており、それを担いで歩くものである。自分たちがトランス状態になるために、激しく揺らすように担いだり、担ぎ手同士が、日頃の鬱憤を晴らすがの如く喧嘩したりするものではない、と。
『勇壮な』とか、これぞ『男の世界』ではないとも感じるのだが。だが、人の価値観は様々だし、強制も出来まい。毎年、祭り後は、ため息交じりに仕方ないと笑う友人も多い。
だが、彼らは立派だ。地元のために、なるべく大事に至らないようにフォローしている。こちらは、そういうことが苦手だし、役員のお手伝いなど、一切して来なかった。まあ、単に人徳の問題かもしれぬが。
なので、毎年、この日々は、地元から離れるようにしている。何てことない、飲みに出掛けるだけだが。
しかも、今日、明日と二日連続で飲み歩かなければならない。開業寸前のスカイツリーを見ながら、祭囃子を聞くのも乙だし、どうせなら、家に引き籠っては、とは仰るな。
祭囃子の中にいると、昔取った何とかでついつい、肩が疼くので。