レンタルで「クライマーズ・ハイ」を見た。
御巣鷹山に墜落したJAL機を題材にしたフィクションで、地元新聞社の人間模様がメインの力作であった。
実は、この歴史的大惨事には個人的思い入れがある。事故当時、知り合いに全日空のグランド・ホステスとフリーのカメラマンだった人間がいた。それと、急遽現場へ呼ばれた某医大のドクター。
その三人から、羽田空港のリアルタイムでの推移、取材の緊迫と墜落現場の模様を直接聞いた。その話だけで、1本の映画になると感じたが、遺族や関係者のことを考えると不可能だとも感じた。
やはり、映画自体も、その点には詳しくは触れていなかった。ゆえに、いささか『逃げ』を感じた。
しかし、映画では別な点に注目した。劇中、主役の堤慎一と記者の堺雅人の会話に、邦題タイトルこそ明かさないが、ビリー・ワイルダー作品が登場した。しかも、監督としては、マイナーな映画である。
未読だが、原作に登場するのだろうか。それとも、映画評論家上がりの原田真人監督のオリジナルなのか。一体、何人のライターなり、映画ファンがその会話で、瞬時に映画名を当てたのだろうか。
ワイルダー・ファンはプロ、アマ問わず多勢いる。内容より、こちらが気になった。