今回の都々逸。
「顔見りゃ苦労を忘れるような 人がありゃこそ苦労する」
ごもっとも、と言いたくなる。もしくは、当り前だろ、と声を掛けたくなる。
この手の言い回しは、昔の『江戸言葉』的表現。「親父ゃ、俺より歳が上」とか、「雨の降る日は、天気が悪い」といった表現である。
『当り前だ』という、直接的な言い方でなく、遠回しな表現を用いる。その方が、他人に対する思いやりだと思っていたのか。それとも、相手にも、ある程度の度量を要求したのだろうか。
で、歌を唄う人間にかける掛け声のひとつ。『犬吠崎!』
これはある程度地理を知らなければならない。「犬吠崎」とは千葉県の房総半島の銚子の外れにある。
そうです。音痴とは言わずに、『調子外れ!』である。