試写で「のんちゃんのり弁」を見た。
<番外編>でも扱った秀作「いつか読書する日」の監督緒方明の4年ぶりの新作。
だらしない亭主と離婚しようとして幼稚園児の娘を連れ、下町の実家に戻る女性の自立を描くコメディ。
今までの作風とはガラリと変えた作品に仕上がっている。
過度な期待をし過ぎたのかもしれない。結果、どうにも緒方監督の『媚び』、表現が悪ければ、『照れ』を感じた。監督自身が、今までに出来上がったイメージとはどこか違う方向へ向いたいという意気込みを感じたが、何だかな、という印象。それに、ほぼ全員がミスキャスト。というよりも、すべてが中途半端。
ただし、コメディの才能がないわけではない。秀作を連打することは難しいに決まっている。新たなるジャンルに挑戦した努力も、素直に認める。
だが、とかく、コメディは難しい。