殴り込み戦闘機隊 – REACH FOR THE SKY(1956年)

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スタッフ

監督: ルイス・ギルバート
製作: ダニエル・M・エンジェル
脚本: ルイス・ギルバート
撮影: ジャック・アッシャー
音楽: ジョン・アディスン

キャスト

バーダー / ケネス・モア
セルマ / ミュリエル・パヴロウ
サンダーソン / リンドン・ブルック
ターナー / リー・パターソン
ジョイス医師 / アレキサンダー・ノックス
ブレース / ドロシー・アリソン
ディ / マイケル・ウォー
デソウター / シドニー・タフラー
ストレートフィールド / ナイジェル・グリーン

日本公開: 1956年
製作国: イギリス A・ランク作品
配給: BCFC コロンビア


あらすじとコメント

前回は、第二次大戦時にドイツ空軍に実在した英雄。今回は、イギリス空軍に実在したヒーローの伝記モノにしてみた。

1928年、イギリス。英国空軍大学にバーダー(ケネス・モア)が入学してきた。

彼は大空を自由に飛び回ることに憧れていたのだ。しかし、彼は規則を嫌い、自由闊達に振る舞い、要注意人物になってしまう。それでも、飛行技術は抜群であり、傲慢さを伴った前向きな態度で押し通した。

ある日、新しく入隊してきた新人に軽くあしらわれたことに腹を立て、訓練機で曲芸飛行をやってのけるが、墜落。

結果、彼は両脚を切断することになってしまい・・・

異常ともいえる前向きさで活躍した空軍将校の実話。

軍の問題児として扱われながら、自分自身はまったく意に介さず、常に根性とポジティヴさで生きる男。

両足を切断した彼は、義足、松葉杖で一生懸命にリハビリを続け、杖なしで歩行可能な状態になり、やがて恋をして結婚する。

そして、再度、飛行士としての再出発を希望する。しかし、当然、不許可。彼は、一般市民としての生活を余儀なくされるが、第二次大戦が勃発し、彼にもチャンスが再度訪れるという実話を、手堅く見せていく。

2時間ちょっとの上映時間の半分が、彼の人となりや大戦勃発までに割かれるので、航空戦をメインにした戦争映画だと思って見ると、かなり肩透かしを喰らう。

しかし、そこは当時のイギリス映画。手堅さの中に、飽きずに見せていくメリハリを利かせ、端折れる場面は端折って、一定のリズム感を崩すことなく進行していく。

そして、第二次大戦が勃発し、以後が第二部という展開を見せる。彼は実績から、部隊の中隊長に昇進するが、指揮するのはカナダ人パイロットばかりの中隊で、一筋縄では行かない連中。

そこで、前半で延々と描かれてきた彼のキャラクターや人生が、どう生きるかを観客は一瞬にして理解していく。

こうなると、次から次へと描かれていく出来事が、素直にこちらの心を動かして行くという寸法。

偏屈なカナダ人部隊が、何故、偏屈になりえざるを得なかったを知り、主人公が取る行動。そして旧態依然とした「攻撃教則本」は役に立たないと、革新的な作戦を立案実行する。

そして、やっと空中戦のシーンが描かれていく。それまでは、冒頭の訓練飛行や、主人公が事故に遭うシークエンスなどでのみ写しだされた空中シーンが、やっと派手に花開くのだ。

実際のドキュメンタリー映像を挿入し、敵機が爆発する場面や、被弾したパイロットが脱出する臨場感など、実写ならではの迫力がある。

しかし、映画は主人公がそのまま華々しく英雄として活躍するだけでは終わらない。

何故なら実話だからだ。実際の彼は戦後まで生きた。なので物語は、空中戦がメインの内容から、また転調する。中々、ストーリィ自体にもメリハリがあり、飽きない。

演技陣もイギリスらしく、華はないが、手堅く好演。それを飽きることなく一定に保つギルバート演出にも妙味を感じる。

戦闘機は元より、練習機など珍しい実機が数多く見られる作品にして往年のイギリス映画らしさを感じられる佳作。

余談雑談 2010年2月13日
つい先日、ある意味、意を決して、地元のストリップ劇場に行った。 以前、覚醒剤取締法違反で逮捕された元グラビア・アイドル『K』が出演していたからである。 今回は二度目の出演。マスコミが大挙押し掛け、大騒ぎだったので、一回目はパスしていた。 実