余談雑談 2010年2月17日

今回の都々逸。

「ここが思案の上野をすぎて 花の吉原来てまよう」

迷うのは、場所か女性にか。

なるほど、山手線ではないが、今でも、大概、吉原に行こうとすれば、上野は通るな。まして、昔は街道の起点である『日本橋』からは、「中央通り」で上野まで一直線だ。

でも、江戸の町作りは、深謀遠慮でもあった。

当時、国の境であった「大川」、現在の隅田川の左側に沿って、「江戸通り」がある。川は蛇行しているので、京都の碁盤の目のような仕切りと違い、正方形には区切れない。

で、総武線に沿って流れる「神田川」以北は、更に独特の形で、町が形成されている。それは、三角形という区切り方。

何でも、『東南』から『北西』に向って「末広がり」という形が『恵方』とかで、橋がかかる大きな通りは、蔵前橋、駒形橋、吾妻橋など、五差路になっている場所が多い。

右は隅田川に沿って、水戸街道へと続く。で、左側はというと、これが、全部「吉原」に向うのだ。

これは上野で思案することなく、嫌でも向ってしまう。

男にとっては『恵方』なのか、それとも、結局は迷ってしまう『迷宮』なのだろうか。

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