このところ、読者でもある友人数人から、立て続けに妙なことを言われている。
上で扱っている映画のこと云々より、このコーナーが好きだ、と。たまに書く新作映画の紹介が劇場へ足を運ぶかを決めるのに有益だとでも言うのかと思いきや、「毎回見たことも聞いたこともない映画の紹介より、ここの脱力系な感じが良い」と。
人生の大半を映画に賭けてきた人間の薀蓄より、等身大の男の寂しさに同情できるというのだ。複雑というか、何と言うか、とりあえず、放っておけ、と答えることにしているのだが。
しかし、残念ながら、あくまでも、残念ながらだが、ふと頭を過ぎることがある。だったら、いっそ『後ろ向きオジサンの愚痴日記』みたいなメルマガでも発行しようかと。
でも、一体誰が読むんだ、と力なくため息をついてあきらめた。フリーのライターなんてつらいものよ的、負け犬の深謀遠慮なる愚痴など、何でも前向きにとか、ポジティヴに行きましょうという現代からは、忌み嫌われるだろうから。
おっと、この発想自体がいけないのか。