数多くの作品を配給してきたUIPが年内で解散し、またひとつ、東京の銀座から洋画系配給会社が消える。
昔は、映画配給会社は銀座に集中していて、映画評論家やライターたちは徒歩で各試写室をハシゴしていた。しかし、現在、その拠点は20世紀フォックスなど数社がある六本木に移った感がある。
確かに、貸試写室などは京橋や銀座近辺に残っているし、単館系専門の配給会社も増えたこともあり、出向く機会は多い。だが、映画自体が2時間を越える作品が多く、どこも13時、15時半、18時と大体決まっている開始時間に間に合わず、簡単に別な試写室をハシゴできなくなっている。
この前、試写のハシゴをあきらめて、ゆっくりと銀座から日比谷あたりを散歩してみた。街は高級ブランドの路面店や新しいスポットが多く出現し、街としてのイメージも随分と変わった。『銀ブラ』という言葉が、「銀座をブラブラ歩く」から「銀座のブランド店」に変わりつつあるとも聞く。
昔、見たい封切作品があると、早朝から嬉々として長蛇の列に加わった映画館街もすっかり様変わりしている。お洒落だがコンパクトになったビル内の映画館のみだ。その上、各回完全入替制で、行列した挙句に立ち見というスタイルもなくなった。都内でも各地に出来続けるシネコンに押され、もはや『封切は銀座か日比谷で』の時代ではないのかもしれない。
やはり、すべてが『時代の流れ』で、『進化』というものだろうか。