空中大脱走 – ESCAPE OF THE BIRDMEN(1971年)

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スタッフ

監督:フィリップ・リーコック
製作:ハーヴ・ベネット
脚本:デヴィッド・キッド
撮影:ジャック・A・マータ
音楽:デヴィッド・ローズ

キャスト

クック大尉 / ダグ・マクルーア
ブレヴィック / ルネ・オーベルショヌア
シラー大佐 / リチャード・ベースハート
モーガン大佐 / チャック・コナーズ
タンカー / マックス・ベアー Jr.
フィッツジェラルド / トム・スケリット
ディヴィス大尉 / ポール・コスロ
フォーカス / ドン・ナイト
スパロウ / グレッグ・マラヴィー

日本公開: 1973年
製作国: アメリカ ユニバーサル作品
配給: CIC


あらすじとコメント

複葉機ではないが、それに近いものつながり。中々面白い着想の脱走モノ。

1943年第二次大戦下ドイツ。O・S・S(米軍戦略事務局)のクック大尉(ダグ・マクルーア)は、秘密任務を命じられていた。それは表面上パイロットとして捕虜になっている核物理学者ブレヴィック(ルネ・オーベルショヌア)を救出すること。ドイツ軍に博士の本当の身分がバレれば核開発に多大な被害がでるからだった。

博士に接触した大尉は連合軍の爆撃に乗じて脱走を図った。しかし、失敗し二人は断崖絶壁の山の頂上にある厚い城壁に囲まれたベックスタット収容所に収監されてしまう。そこはスイスまで16キロというアルプス山脈の一角にあったが、厳重な管理と切り立った断崖に囲まれた天然の城塞を使用しているため、かつてひとりも脱走を成功させた者がいない場所だった。

シラー所長(リチャード・ベースハート)指揮の下、捕虜にはイギリス空軍のモーガン大佐(チャック・コナーズ)、技術屋のフィッツジェラルド(トム・スケリット)、盲目の英軍特殊部隊のディヴィス大尉(ポール・コスロ)など個性的な面々が揃っていた。中でも、モーガンはクックらがスパイではないかと直感し、ことあるごとに対立姿勢を取ってきた。なぜなら、大佐は極秘裏にトンネルを掘って、脱走を計画していたからだ。

そんな折、クックは捕虜のひとりが城壁から余暇として凧を上げているのを見て・・・

様々な映画からアイディアをいただいた脱走もの。

本作は日本では劇場公開されたが、実際はTVムーヴィー。だから予算はかかってないし、出演者も映画としてはBクラスばかり。

その上、劇中で使用されるスケール感のあるアクション・シーンは「テレマークの要塞」(1965)など、他の映画からの流用。しかも、登場人物の設定も、普通のパイロットと身分を偽っている大物核物理学者って、同じく脱走モノの「謎の要人 悠々逃亡!」(1960)そのままではないか。

逆に、そういったテキトーな設定が妙にB級映画ファンの心をくすぐった。しかし、製作サイドはいたって真面目。実際、こういった寄せ集め的映画では、ヤマ場である脱走シーンが勝負になる。その点、本作は中々、面白いアイディアだと感じた。

絶壁に囲まれた天然の古い城塞を使用する収容所で、下界へ繋がるのは切り立って伸びるたった一本の道。そこから脱走するのだ。主人公が卓抜なアイディアを思いつき実行に移すが、当然、様々なトラブルやピンチが訪れる。

しかしながら、そこへ持っていく手法が些か強引でもある。

例えば、こんな岩ばかりの絶壁の上にある収容所から、簡単にトンネルが掘れるだろうかという疑問。また、そのトンネルを結果的にどこに抜けさようというのかという疑問。更には、主役と科学者がスパイでないと証明し、何故、最優先で脱出しなければいけないのかを捕虜仲間に理解してもらうところなど、どうにも超ポジティヴなご都合主義で失笑してしまった。

だが、個人的にはそれでも面白いと感じた。ギャンブル的発想で映画を選んで見ていたころ、当然、玉石混合だった中で、こういった肩肘が張らない、元ネタ探しが逆に面白い作品は、そうそう当たるものではない。

サスペンスを盛り上げるシーンのつなぎや、次から次へと起こる不測の事態など、一応、セオリー通りに作ってあり、脱走モノとして楽しめた。

アラ探しをすれば、突っ込みどころ満載。だが、寝転がってスナック菓子でも食べながら、単純な視点で見ると、ちゃんと面白い作品である。

余談雑談 2008年5月3日
ゴールデン・ウィーク真っ最中だ。ただ、今年は日並びが悪いので、大型連休とは行かない人も多いようだ。 こちらは旅費が信じ難いほど値上がりする前に沖縄に行ってきたので、のんびりムードだ。ひとつだけイヴェントといえば、久し振りに結婚式に出席するこ