東京近郊の方しか知らないかもしれないが、映画、演劇の公開情報がメインのエンターテイメント系情報誌『ぴあ』が、週間から隔週刊になった。
見たい作品が、どの劇場で何時から上映されるのか。場末の映画館で、面白い特集のオールナイトが組まれていないか。そういったことを一冊で調べるのに便利な情報誌である。
しかし現代はネット社会である。しかもそのほとんどが無料で調べられる。その上、即応性といったら、日刊の新聞でさえ、追いつかない。
現代人は早さと利便性を当り前のように甘受し、少しでも遅れると不満を口にする人も多いと聞く。確かに自分も映画などに関して、インターネットで調べることも多いし、間違いなく便利だと痛感している。
だが、未だにどこか違和感を覚える。後ろ向き過ぎの性格ゆえかもしれないが、どうにも立ち読み感覚なのだ。ページをめくる楽しみはスクロールでは堪能できないし、目の疲れ方も尋常ではない。
だが、そんなことを言っても始まらない。既に、じっくりと読み返すとか、行間を読むといった行為に不慣れな人間が多い気がするし、今後も増え続けるのだろう。
百万部単位で売れ、隆盛を誇っていた週間マンガ雑誌も部数を落として続けている。映画系では『ロードショー』が現在でている号で廃刊になる。
紙媒体が好きな自分としては、『ぴあ』が廃刊にならないことを祈念するばかりだ。