黄金週間も終盤ではある。天気など関係なく常に観光客が賑やかに動き回り、避難民の如く蠢いている。
それが嫌でなるべく外出しないようにしてはいるが、どうしても飲食のため出歩く。地元有名観光地も大体大通りに囲まれたゾーンがメイン地帯で、そこに集中はしている。
なのでその外周地帯でこちらの都合良い時間帯に開いている飲食店に出向く。ところが、このところ、その手の店まで初見の観光客がやって来るようになった。
一軒は「頑張り屋のおばさん」がひとりで切り盛りする食堂。平素は地元民か、近所で働く工事関係者、中小系会社員が来る。
注文を受けてから作り始めるので、混むと途端に時間がかかるようになる。一時期は近所の高齢女性らの溜まり場で、見かねた茶飲み友達が水をだしたり、食器を下げたり協力していた。
なので、常連は客自身が社員食堂よろしく自身で上げ下げをするのが常態化した。それはそれで好きなシステムだ。
だが当然ながら初めての客は勝手を知らず戸惑うし、流石に文句を言う客はいないようだが恐らく二度と来ないだろうと感じる。
観光メイン地帯はどの店も開店前から行列を開始し、甘味系土産物屋も長蛇の列で、整理係を雇って誘導しているほど。だからゾーン外のはずの周辺にまでリヴィング・デッドが出没するようになったかと、混雑はおろか、見知らぬ人間は大嫌いの性分発動が多発する。
それにしても情報の拡散は世界規模だ。外国の母国それぞれのグルメ情報にでも紹介されているのか、日本でも何度も紹介されている店では万国旅行者だが、ここはヨーロッパ系、こちらは中国系、そちらはタイ系とか妙に棲み分けが出来ているのも不思議。
それは数キロ離れた場所でも散見するようにもなり、また驚いた。バスで通過した観光地でもない店まで並んでいるから驚く。
それにしても世界各国どれほどの人間がネット情報を単純に信用しているのだろう。味覚なりは人それぞれだし、まして外国なら、もっと違うのではないかと想像。
軽い考えでスマホ写真を撮り評判を書き込む素人。これも世界共通なのだろうか。
店側はどう思ってるのか。特に自分の好きな店は個人店ばかり。頼むからその手の店は、出るのが遅いとか、客らしき老婆が震える手で食器を下げるから危なっかしくて怖いとか、偉そうな視点で悪く書いてくれ。
そうすれば鵜呑みにする観光客は減少するだろうから。悪気はないのだろうが、土足で異郷の地に来て蹂躙する。
アメリカほど広い大陸でもない四方を海に囲まれた小さな国。地元の観光地だって、四方を大通りに囲まれたイメージだったが、今や欧州の如く、国盗り合戦でもないが移動者が増加拡大中。
まさか母国から追放されたとか逃げてるやら、喰いつめた者ばかりが新天地を求めて、でもあるまい。意識的に『フロンティア・スピリッツ』で情報発信者になっているんじゃないないよね。