スタッフ
監督:コリン・ヒギンズ
製作:ブルース・ギルバート
脚本:コリン・ヒギンズ、パトリシア・レズニック
撮影:レイナルド・ヴィラロボス
音楽:チャールス・フォックス
キャスト
ジュディ / ジェーン・フォンダ
ヴァイオレット / リリー・トムリン
ドラリー / ドリー・パートン
ハート / ダブニー・コールマン
ティンズウォージー / スターリング・ヘイドン
ロズ / エリザベス・ウィルソン
バーンリー / ローレンス・プレスマン
バーバラ / レン・ウッズ
ミッシー / マリアン・マーサー
日本公開: 1981年
製作国: アメリカ IPCフィルムズ作品
配給: 20世紀フォックス
あらすじとコメント
前回扱った「テキサス1の赤いバラ」(1982)のヒロイン役で、実際にカントリー界の女王であったドリー・バートン。その彼女が都会派コメディに挑戦した作品。ある意味、時代の先端を行っていた内容でもある。
アメリカ、ロサンジェルス
夫の浮気が原因で離婚したジュディ(ジェーン・フォンダ)は専業主婦だったが、人生刷新とばかり働くことにした。
その勤務の初日。忙しく働く人々に圧倒されながら副社長補佐ヴァイオレット(リリー・トムリン)に案内され、副社長のハート(ダブニー・コールマン)に挨拶に向った。緊張するジュディだが、何と副社長は様々なハラスメントの総合商社のような男だった。
妻がいる身ながら篭絡したいと思っているドラリー(ドリー・バートン)を秘書に抜擢しては日々口説いている。他にも、合理化と称して個人の人間性を踏みにじるのが当たり前。しかも、かなりの権力者でキレ者。誰も歯向かえないし、歯向かう者は社内スパイを使い解雇する。
当然、社内もバラバラである。そんな職場で働けるだろうかと心配になるジュディ。
しかし、その不安が的中して・・・
ハラスメント上司に対して強烈な仕返しをするOL三人組のコメディ。
仕事から離れて久しく何事にも疎い元人妻。ヴェテランで有能さが裏目にでるキャリア系秘書。性的対象としか見られない決して知的には見えないグラマー秘書。
解りやすい設定の女性三人が「三銃士」よろしく嫌味な上司に反撃する内容。
しかし、痛快な逆転劇というよりは実際には犯罪行為のオンパレード。この時代は、ある意味「大らか」だったと感じざるを得ない。まあ、悪役の重役だって、そこまでするかという完全に犯罪者。
コメディなのだから当然なのかもしれぬが、ある意味、シャレにならないとも感じる。
タイトルからも分かるように『会社の定時』からきているが、それ自体が現在では違っているし、本作内でも、そのことに触れている。つまり、従業員の権利向上改革を推奨する。
一方で男性側からすると、確かにこの手の価値観の男性は現在でも世界中に存在し続けているとも思う。それに今の時代だと、逆に女性上司がハラスメントをするという設定での映画化も可能だろう。
ただ、本作の落しどころには希望も見えるので、既得権益確保派と改革派とのせめぎ合いという、いつの世も同じことを繰り返すんだなとも教えてくれるコメディ。