スタッフ
監督:ジョー・ピトカ
製作:デヴィッド・ガイラー
脚本:アーネスト・モートン
撮影:カーティス・ウェア
音楽:ジョルジョ・モロダー
キャスト
トロッター / リチャード・ドレイファス
ルーニー / デヴィッド・ヨハンソン
パム / テリー・ガー
ヴィッキー / ジェニファー・ティリー
グリーンバーグ / アレン・ガーフィルド
馬券販売員 / ロビー・コルトレーン
マーティ / エドワード・ウォルシュ
ディヴィス夫人 / ミッシェル・フィリップス
ラフキン / デヴィッド・シャラム
日本公開: 1990年
製作国: アメリカ デヴィッド・ガイラー・プロ作品
配給: UIP
あらすじとコメント
金と欲が絡むと市井の人間はどうなるかを描いたコメディ作。前回は超大作だったが、今回はギャンブルで一攫千金を狙う奴らにスポットを当てた映画。日本人にも馴染み深い「競馬」でのお話。
アメリカ、フロリダ
タクシー運転手のトロッター(リチャード・ドレイファス)は競馬狂いのギャンブル依存症。流石にマズいと考え妻のパム(テリー・ガー)に二度とギャンブルはしないと誓いを立てた。
ところが競馬仲間の同僚で乗客同士の会話を録音するのが趣味な奴から「いかさまレース」が仕組まれたという会話を録音したと言ってきた。しかも、たった1レースのみだという。同僚は半信半疑だったが、それを聞いたトロッターは突然、博打の神様が降りてきたと興奮しだした。だが、それを知ったのはレース前日の深夜。
居ても立ってもいられず同僚と競馬場に朝一から駆け付けて・・・
ギャンブル依存症の人間たちを冷静に描く、あまり笑えないコメディ作。
激情型の妻と互いに相手を傷付けない約束を交わす主人公。そうはいってもギャンブル依存症で負け犬的な男だ。
彼はやはり依存症の同僚と負け組たちが集まるバーにたむろするのが心休まる時間だと感じている。しかし、金を賭けたレースが始まると全員が熱狂し結果に一喜一憂する。
思い当たる人間も多いのだろうか。ストーリィは真偽の程は不確かな八百長が第3レースで行われると知り、早朝から競馬場に行く主人公。少ない有り金全額をぶち込むと何と的中。一挙に大金が入り有頂天になる。
その後も妙に幸運が続き、買った馬が全勝していき結果最終レースまでで一体幾ら儲かるのかという一日を描いていく。
間違いなくギャンブル好きにはアドレナリンがでる映画だろう。トラブルで買えなかった馬は負けたり、当たりそうにもないのに次のレースでは間違いなくこの馬が来ると断定的に予想する見知らぬ人間たちが言う枠番を全部消していき、最終的に誰も推さずに残った馬に全額投入で勝負をかける。何とも人を喰った内容。
場末バーの常連は皆知り合いだが、競馬場の上階にはVIP席があり成金やら金持ちに群がる女性たち出入りするスポットがある。当然、勝ち組と自認した連中で負け犬組からすれば鼻持ちならぬ人種だが、どこか憧れもある。
主人公は幸運続きで俄か成金となり、そこに入室していける立場となっていく。すると主人公に色仕掛けで来る女性が現れたりと、人生の運を一日で使い果たすのかよと思わせる展開が起きていく。
当然、全レースが大穴狙い。それが全勝していくから羨ましがられたり、妬まれたりする。運を信じて全財産をつぎ込んでいく主人公らに感情移入できないのは、自分が賭け事が苦手だからだろうか。
それでもある意味、絶対に現実では起きないが、だからこそのコメディ映画としての描き方は嫌いではない。
それにより新たな友人知人が出来たり、逆にというか当然というか妻とは離婚騒動に発展していく。しかし、人生自体が博打とばかりに立ち止まったりしない主人公。それでも儲かった金は仲間たちにも振る舞って行くから憎めない性格なのだ。
大笑いできるコメディではないが、意外に悪くない出来栄えの作品。