マイナー・ブラザース/史上最大の賭け – BREWSTER’S MILLIONS(1985年)

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スタッフ
監督:ウォルター・ヒル
製作:ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルヴァー
脚本:ハーシェル・ワイングロッド、ティモシー・ハリス
撮影:リック・ウェイト
音楽:ライ・クーダー

キャスト
ブリュウスター / リチャード・プライヤー
ノーラン / ジョン・キャンディ
アンジェラ / ロネット・マッキー
コックス / スティーヴン・コリンズ
ラウンドフィールド / パット・ヒングル
ペグラー / ジェリー・オーバック
ホーン / ヒューム・クローニン
キング / リック・モラニス
カペリート / レニ・サントーニ

日本公開: 1986年
製作国: アメリカ ディヴィス・エンターテイメント作品
配給: ユニバーサル、UIP


あらすじとコメント

今回も「お金」にまつわる作品。とはいってもギャンブルではなく、突然大金が転がり込んでくる市井の人間の苦労を描くコメディ。

アメリカ、ロサンジェルス

マイナーリーグ所属の投手ブリュウスター(リチャード・プライヤー)は、相棒でキャッチャーのノーラン(ジョン・キャンディ)と酒場で乱闘騒ぎを起こし留置所に放り込まれた。当然というか球団からは解雇され消沈する二人。すると突如弁護士が来訪して彼らを釈放させた。

すぐさまブリュウスターが弁護士事務所に連行される。そこで会ったこともない大叔父から3億ドルの遺産を相続させるという録画フィルムを見せられる。青天の霹靂というか、驚天動地で俄かには信じられないのは当然だろう。

しかし、それには必須条件が付いていた。30日間に3000万ドルを誰にも真相を告げずに浪費して使い切れという。しかも財産、資産になるものを残してもダメ。もし嫌ならば100万ドルのみを渡して終了と。

当然、彼は前者を選ぶ。ところが外にでた瞬間に無駄遣いを始めるので友人らが気がふれたと思いだして・・・

金が絡むと人間はどうなるかというシニカルなコメディ。

黒人ながら数代前は白人だったと告げられる主人公。そこからして珍妙である。

ほぼ存在すら知らなかった親戚筋の大富豪から賭けを提案され、当然一攫千金で総取りを目論む。しかし相手もさるものであり、美人弁護士が監視役として同行するからインチキは出来ない。

貧乏人からすれば3000万ドルは超大金である。しかも貯金や不動産を買うことも出来ず、ひたすら『無駄遣い』を考えなければならない。

そうなると貧乏人は何を考えるのか。観客ももし自分だったら何に使おうかと考えながらの進行。

銀行金庫内に現ナマで積み上げられた札束。銀行が万が一を考え警備員を付けていたので、その彼をボディガードに雇い、外に出ると流しのタクシー運転手を専属運転手に雇用し超高級ホテルのスイートを貸切り、超高級服を揃えさせる。

今までしてこなかった似合わないことばかりをすると人間はどうなるのか。夢の達成で単純に喜べるのか。様々な推察が成り立つが、何てことはなく場当り的に必死に金を無駄遣いする姿が微笑ましい。

ところが仲間たちが余計なことをしたり、遂には主人公が市長選に立候補し誰にも投票するなとか、訳の分からぬことばかりして仲間たちを困惑させていく。

ストーリィとしては指定金額が完全使用できるのかという単純な話で、逆にそれを快く思わない人間や長時間一緒にいることで周囲の人間らに微妙なスタンスの変化が起きたりと、ありがちな設定で進行し劇的な展開はない。

だが、それでも面白く観ていけるのは主人公役のリチャード・プライヤーのどこか大袈裟ながら、妙に哀歓が浮かぶ演技によるところが大きい。

兎に角、見たこともない金を更なる高額遺産を受け取るために無駄遣いさせるというある意味、夢みたいな話を逆に苦笑いと諦念を喚起させつつ描いていくのでバランスの取れたコメディと感じる。

余談雑談 2023年10月28日
テレビの改変期。 安定継続から新規とドラマからバラエティ、情報系など様々が出揃った。 課金制のチャンネルは絶対に入りたくないので、地上波と衛星放送のみでのチェックだが。妙に回数の少なった深夜ドラマも一回目は視聴してみるが、時代性か若い男性同