余談雑談 2025年7月12日

会津若松に行ってきた。

地元の人波と猛暑からの逃避のために。さて、首尾はどうだったのか。

出発日の地元は朝から暑い。それでも大騒ぎして大ハズレの南海トラフ大予言の所為で、激減していた中国系観光客。

乗車駅には欧米系家族や山歩き系と思しき日本人のヴェテラン勢がチラホラ。空いている特急で出だしは快調そのもの。

缶ビールなど楽しみつつ、途中で乗換え。実はその路線が大好き。かつて一度だけ乗車したのだが、二両編成で単線。

先頭に乗ると小さな運転席の横の窓から前方が見渡せる。樹林を縫うように線路が続いているので見ていると急に視界が開け、田園の中に点在する家屋が拡がる。

白い雲が拡がり空気がきれいなのか、空の青さが違うよなと嬉しくなる。まるでTVの旅情番組をリアルで見ているよう。

前回は小雨の降る中での乗車で何とも旅情が掻き立てられ、今回は真逆の晴天。

何と素晴らしいと思っていると途中の駅から徐々に乗車客が増え、猫駅長が売り物の駅にはホーム上にカメラやスマホを構えたアジア系が溢れんばかりにこちらを撮影している。

まさか、撮影だけだよなと思っていると何と全員が乗車してきて、朝の通勤列車の如しで訳の分らぬ言葉が飛び交いスマホで撮影したり車内を移動したりと、オイオイ何だよと。君たちは大災害占いにに左右されないのか。

登山のヴェテラン勢や折畳んで自転車を持ち込んだ人なども敢えて知らぬ振り。一応気を遣うインバウンド客もいれば、若者は我関せずと修学旅行の気分で話している。

途中で降りるグループもいたが、ほぼ満員で終点へ。もう旅情など感じられぬ。以前乗った時はガラガラで楽しめたが、今やSNSの所為でありとあらゆる場所に出没するインバンド系には恐れ入る。まあ、同じ人間として楽しんだろうな。

しかも現地も34℃で地元と変わらず。そこから一泊目の温泉へ向かう。以前宿泊したところは歴史ある宿で最高だが、超高額。なので、今回はランクを下げてトイレ無しの部屋がある安めの宿へ。

佇まいは昔風の旅館の態で好印象。ただし、矢鱈と階段があったり崖に這うように建っているので風呂まで部屋から二階分も下がる。しかもエレベーターもないので疲れるのが難点ではある。つまりバリアフリーは考えられていないので両松葉杖使用の仲間には紹介できないと思った。

それでも泉質は最高で、囲炉裏がある場所での夕食に期待が高まる。小さな囲炉裏でご主人が焼いてくれるが、武骨な会津人らしく無口。奇妙というか気まずい空気が流れる。

そこで連想したのが行きつけの奥日光の鄙びた温泉。そこの定宿にも囲炉裏があり出される料理も似ていた。つまり嫌でも比べてしまう。

となると、やはり行きつけの宿がどれ程完璧で安いのかと痛感した次第。まあ、次回は会津の同じ温泉に来るにしても別な宿を探そうっと。

翌日は夜の馬肉の焼肉がメインなのでビジネスホテルに移動。とはいってもチェックイン時間は夕方であり、周遊割引チケットを買っていたので県立美術館常設展示のみが割引というので循環バスで向かう。

そこには福島県内で発掘された出土品を古代、戦国、明治と続き現在までを展示。順路や展示物も分かりやすく、それなりに来場者もいて驚いた。何よりも外は34℃の灼熱地獄、館内は冷房が効いており快適でチェックイン間近まで粘った。

ホテルで少し休憩し、予約時間に焼き肉屋に着くと家族連れや仕事仲間らしきグループで既に半分以上が埋まっている。人気の凄さを感じた。

それでも安心安定の味を楽しんだ。それなりに楽しい旅ではあったが、やはり行きつけの、後どのぐらい通えるかが心配な奥日光の鄙びの温泉郷に、すぐにでも行きたくなった。沖縄以上に時間の流れが早くなり、閉店や閉館で違う場所になってしまいそうだし。もう既に恐怖の足音が聞こえている気もする。

本当に大好きな温泉地だけに、嫌な勘だけは当たるから外れてくれと願わずにいられない。

何はともあれ、旅心がこれほど刺激されるとは、「男はつらいよ」の寅さんみたいだな。

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