スタッフ
監督:ドン・テイラー
製作:イタロ・ジンガレッティ
脚本:ダリオ・アルジェント、マーク・リチャーズ
撮影:エンツォ・バルボーニ
音楽:エンニオ・モリコーネ
キャスト
ダッチマン / ピーター・グレイヴス
オーガスタス / ジェームス・デイリー
メシード / バッド・スペンサー
ドミンゲス / ニーノ・カステルヌオーヴォ
サムライ / 丹波哲郎
エスティヴァン / クラウディオ・ゴーラ
マリア / ダニエラ・ジョルダーノ
ギテーレス / カルロ・アリゲーロ
ペルラ / アナベラ・アンドレオーリ
日本公開: 1969年
製作国: イタリア タイガー・フィルム作品
配給: MGM
あらすじとコメント
前回の「戦場のガンマン」(1968)は5人のプロがミッションを遂行するいかにものマカロニ・コンバット。今回も5人のプロの活躍を描くマカロニ・ウェスタン。
メキシコ、アメリカ国境近く
手配犯の曲芸師ドミンゲス(ニーノ・カステルヌオーヴォ)は爆破のプロ、オーガスタス(ジェームス・デイリー)、元鉄道員で怪力持ちメシード(バッド・スペンサー)、ナイフの達人サムライ(丹波哲郎)らに次々と声を掛けて行った。
その依頼主はダッチマン(ピーター・グレイヴス)である。招集された面々は彼が首謀者であれば間違いない儲け話だと。そしてダッチマンは一人1000ドルの報酬で大量の砂金を積んだ貨車を襲撃すると。
しかし、それはメキシコ政府軍が完全防備する特殊列車で・・・
五人のプロが活躍するアクション西部劇。
脛に傷もつ各分野のプロたちの置かれた現況が描かれつつ、参集される過程は割とリズミカル。ところが中々作戦内容が明らかにされぬ推理仕立てで進行し始める。
つまり何ともいかにものデタラメ系マカロニ西部劇ではない。
それもそのはず監督は元俳優出身でそれなりに監督実績もあるドン・テイラー。
ただし、ロケはイタリア国内だしエキストラ等もイタリア人なので、そういった点においては「いかにも感」は強い。
それでも砂金積載列車の場面は出演者全員がスタントマンを使わず自身で体を張っているので見応えはあるし、大作ではないので仕方がないのであろうが、迫力は一応ある。
中でも台詞のないサムライ役の丹波哲郎の存在がかなり奇異に見える。3秒で6人斬りしたことを再現する場面は苦笑を禁じ得ないし、一応の日本刀ではあるが、使用法が青龍刀のように力付くなのだ。
客演で文句も言えぬのだろうし、どちらかというと香港系アクションスターに見えてしまう。
それに五人という設定も「七人の侍」(1954)や派生形よりも低予算で行けるし、キャラクター設定も混ぜれば何とかなる数字だと思った。
しかもキャラ設定としてサムライが「荒野の七人」(1960)の一番の若僧役のホルスト・ブッフホルツの如きでメキシコ女性に一目惚れされ露骨にサーヴィスされる設定など、やはり日本人としては些か片腹痛い。確かにメキシコ系にも見えなくもないが。
ストーリィとしては砂金奪取に成功するが、現実には膨大な量のため横取りを考える仲間の登場や、主人公自身がどうにも謎めいた行動をとり、二転三転するの設定も考えられてはいると思える。
一応のひねりもあるマカロニ・ウエスタンとしては、マアマアの部類に入るだろうか。


