スタッフ
監督:シェルドン・レイノルズ
製作:シェルドン・レイノルズ
脚本:シェルドン・レイノルズ
撮影:バーティル・パームグレン
音楽:ポール・デュラン
キャスト
ビショップ / ロバート・ミッチャム
ドミニク / ジュヌヴィエーヴ・パージュ
ブリタ / イングリット・チューリン
サンドツ / ユ−ジン・デッカース
スプリング / フレデリック・オブラディ
リンドキスト婦人 / インガ・ティドブラッド
フォレスト / ジョン・パドヴァーノ
ブラウン / ピーター・コプレイ
スミス / ラルフ・ブラウン
日本公開: 1956年
製作国: アメリカ S・レイノルズ・プロ作品
配給: ユナイト&松竹
あらすじとコメント
今回もロバート・ミッチャムがヨーロッパの異国で巻き込まれるスリラー作品を紹介する。
フランス、リヴィエラ
富豪のダネモアが自分の書斎で発作を起こした。所用を済ませ戻ってきた彼の私設秘書ビショップ(ロバート・ミッチャム)が見つけるが、彼の腕の中で息を引き取ってしまう。
ビショップはバルコニーにいた夫人のドミニク(ジュヌヴィエーヌパージュ)に報告に行くが何故か夫人は取り乱すこともなく冷静に対応した。妙な違和感を覚えるビショップ。
葬式が近付くと何人もの見知らぬ男たちが遺言書の有無についての確認にやってきた。何も知らぬビショップは答えようもなかった。そういえば、美しく若い妻がいるものの雇い主の富豪が何者なのか過去の経歴を一切知らないことに気付く。
そんな彼のところに今度はウィーンの弁護士から富豪の死因確認の連絡が来て、これは只事ではないと思い始め・・・
流れ者だった男が陰謀に巻き込まれるスリラー。
雇い主の過去を知らぬまま秘書というバイト感覚で高級別荘地に居候しているアメリカ男。
若く魅力的だがどこか謎めいた夫人。そんな主人公にオーストリアの弁護士から死因確認の連絡が入る。
遺書を預かっているのだが死因が自然死なら破棄し、殺害だったら開封せよとのことだ、と。
興味を抱いた主人公が向かうと相手の弁護士は殺害されており、成り行きから主人公が殺人犯と誤解されていくという内容。
そこに弁護士の娘やら、謎の男が近付いてきたりといかにもの進行を見せる。
監督は製作、脚本も兼ねたシェルドン・レイノルズ。本作は元々監督自身が製作した1951年から55年まで続いた同名のTVシリーズの映画化である。
つまり、ある意味でご褒美的作品なのである。当然思い入れと思い込みが交錯する仕上がりになっている。
主役のロバート・ミッチャム以外にこれといったスターがでている訳でもなく、妙に異国情緒を醸そうと奮迅しているのが、どこか珍妙な印象を受けた。
完全にヒッチコックの技法や、ウィーンを舞台にしたスリラー映画の金字塔「第三の男」(1949)に影響を受けてタッチまでキャロル・リード監督を意識したりとTV出身者が肩に力を入れて馬鹿にされないように映画を作ったという印象。
つまり凡庸作。確かにストーリィ展開の起伏や謎解き要素の展開などは妙味があるのだが、アメリカ人が英国製スリラーを踏襲して作ろうとしても、些か無理があると感じた。
有名スターであるロバート・ミッチャムを起用しているものの、彼の個性を使いきれていないようにも見受けられた。
トータルとして総天然色で『異国ムード』を楽しむ名所案内的ドラマ。


