泣く女 - CRY UNCLE!(1971年)

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スタッフ
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
製作:マイケル・ブレッド
脚本:ロビン・チャップマン
撮影:ジョン・G・アヴィルドセン
音楽:ハーパー・マッケイ

キャスト
マスターズ / アレン・ガーフィルド
コーラ / マドレーヌ・デ・ラ・ロウ
キース / デヴィン・ゴールデンバーグ
コニー / ナンシー・サーモン
ドミニック / デヴィッド・カーク
ジーン / ショーン・ウォルシュ
尋問警察官 / ポール・ソルヴィノ
レネ / パメラ・グリューエン
リーナ / モウリーン・バーンズ

日本公開: 1979年
製作国: アメリカ カムビスト・フィルム作品
配給: グローバル


あらすじとコメント

前回の「ハードコアの夜」(1979)は田舎出の娘をポルノ女優にさせられた父親の話だった。個人的にはストーリィよりも調査をする等身大の私立探偵の姿が印象的だった。なので今回も、しがなくてうだつの上がらない中年探偵と売春界を描くソフトなポルノ映画を扱う。

アメリカ、ニュー・ヨーク

冴えない中年私立探偵マスターズ(アレン・ガーフィルド)は、富豪のドミニック(デヴィッド・カーク)に呼び付けられた。富豪自らが娼婦三名との乱交の様子を隠し撮りされた映像で強請られ、しかも映っている娼婦の一名が殺されたと。なので犯人探しとフィルムのコピーの存在有無を依頼された。

富豪を仲介したのは美人で、いわくありげなコーラ(マドレーヌ・デ・ラ・ロウ)だ。そんな彼女と助手である甥と三名で調査を開始。

しかし、マスターズは女性に対しては見境なく手を出そうとする些か厄介な性格。

しかも、調査対象が美人の娼婦ばかりで・・・

娼婦連続殺人事件を追う探偵と美女を描くポルノチックな作品。

恋人が旅行に行き、寂しさを感じている主人公。そこに美人の依頼者が登場。

当然、鼻の下は伸びる。調査を進めていくと銃で撃たれるわ、死体に出くわすわとトラブルの連続。

果たして真犯人はという、全くありがちなストーリィ。

低予算であり雑なカメラワークに稚拙な演技者。まるで半分自主製作映画と思わせる作り。

ところが、それが妙に味があるから不思議なのだ。コメディチックなソフトポルノ映画であり、日本では成人映画として公開された。

邦題は「泣く女」で、チラシにもそう書いてあるが、本当の原題は「泣くオジサン」である。

そこからして、いかにものハードボイルドだとは感じさせないだろう。

それでも大雑把ながら妙なリズムと独特なタッチが感じられるのは、後にシルヴェスター・スタローンを一躍有名にした「ロッキー」(1976)でアカデミー監督賞を獲るジョン・G・アヴィルドセンの作品だから。

それに主役の私立探偵を演じたのが太っちょで、どこかチャーミングな脇役専門のアレン・ガーフィルドだから微笑んでしまった。

しかも醜く毛むくじゃらで、下っ腹の出た裸体を何度も晒す始末。都度「ボカシ」が入り、苦笑を禁じ得ないが。ある意味でまさしく体当たり演技ではある。

他にもチョイ役ながら、後に同じくアヴィルドセン監督で作られた、個人的に大好きな作品で中年男と怪我で落ち込むバレリーナの純愛を描いた隠れたる佳作「ふたりでスロー・ダンスを」(1978)で、常に脇役専門ながら、その映画では堂々と主演を張ったポール・ソルヴィノがでて来る。

どうもアヴィルドセン監督は二枚目よりも冴えなくしがない中年ブ男がお好きなようだ。事実、とても印象的に起用し映画ファンの好奇心を刺激してくると感じる。

ただし、女優陣は誰もが魅力に欠け、次々と脱いではいくのだが、誰もがある意味で男性の好みが二分させられるようなタイプのみ。もっとも、逆にそこが単なる劣情扇動映画ではないという矜持すら感じさせ面白いと。

舞台がニュー・ヨークながらそびえ立つ摩天楼ではなく寂れた裏町や、人の気配がないロング・アイランドなど寂寥感が画面に流れ続けるのも、薄っぺらい内容と相まって妙に心をくすぐる。

一時期、日本でも流行った2時間サスペンス的ながら本家が作るとそれなりの味わいになるから不思議。

かといって、誰彼構わずにおススメできる作品ではない。当然、成人映画でもあるし。

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