インディアン狩り – THE SCALPHUNTERS(1967年)

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スタッフ
監督:シドニー・ポラック
製作:ジュールス・レヴィ、A・ガードナー 他
脚本:ウィリアム・ノートン
撮影:デューク・キャラハン
音楽:エルマー・バンスタイン

キャスト
バス / バート・ランカスター
リー / オシー・ディヴィス
ケイト / シェリー・ウィンタース
ホウィー / テリー・サヴァラス
ユマ / ダン・パディス
ジェド / ダブニー・コールマン
フランク / ポール・ピサーニ
ツー・クロース / アーマンド・シルヴェストリ
ヤンシー / ニック・クラヴァット

日本公開: 1968年
製作国: アメリカ ブリストル・フィルム作品
配給: ユナイト


あらすじとコメント

黒人が活躍する異色の西部劇にしてみる。脇役扱いなのだが、白人の主役を喰う設定でコメディとして作られた異色作。

アメリカ、ロッキー山脈山を回り、様々な動物の毛皮を獲ったハンターのバス(バート・ランカスター)。これだけ売り捌けば、少しはラクができると喜んでいたが先住民のカイオア族と遭遇してしまう。

酋長は戦利品の毛皮の山にニンマリ笑うと彼の毛皮全部と拉致して同行させていた黒人奴隷リー(オシー・ディヴィス)と交換だと言われる。そんな理不尽な取引以下の蛮行に納得できるはずもない。が如何せん、多勢に無勢。仕方なく押し付けられた奴隷と行動を共にすることになる。

当然、納得できぬバスは先住民らを追尾し、奪取しようと考えた。一方、黒人奴隷のリーは、仕事先から脱走し奴隷制度のないメキシコへ逃げようとしていた。つまり、二人の方向性は全く違う。

しかし、単純に奴隷を逃がしてやるほどリーも大人ではなく・・・

かなり人を喰った展開を見せる西部劇コメディ。

毛皮全部と黒人奴隷一人との交換。納得できるはずもなく、奪い返そうとするのは当然。

ところが、である。主人公の猟師は、動物的感で大自然の野獣相手に生きてきた男。当たり前だが、字も読めないような無学な男。

ところが一方の黒人奴隷が、大学教授顔負けの知識階級だから堪ったものではない。

そもそもメキシコは奴隷制度が『非合法』だから、アメリカより進んでいるとか平然と言い放つが、猟師にはチンプンカンプン。

あくまで肉体的勘で行動をする猟師の先読みすることなど簡単で、何度も主従逆転となる展開。

まあ、そこで両者に相互理解が生まれて迷コンビが誕生しての道行となっていくのだが。

今度は、そこに無法者の一団が絡んでくる。こいつらが曲者で、昔の映画ならば「頭皮を剥ぐ」のは先住民の専売だったが、彼らに懸賞金が懸っているので、逆に先住民の頭皮を剥ぎ、それを証拠として持ち去り稼ぐ。

体よく言えば「賞金稼ぎ」の集団が登場してきて、先住民を全滅させ、毛皮まで持ち去るから、今度は、奴らを追う羽目になる。

それから更に毛皮は、まるでラグビー・ボールの如く、あちらへ行ったり、そちらへ廻ったりと主人公に悪戦苦闘を強いていく。

前半は迷コンビのコメディ合戦で絶妙に面白いのだが、野盗軍団が登場してきてからは、残虐性が加味され、前半とは違う作劇と展開になっていくので、少し残念に感じた。

ただし、本作制作時には、黒人の扱い方の地位向上が認められる時期でもあり、粗野な白人よりも頭脳明晰という設定は、逆に何をもたらし、何が尊いのかの自問の果てに結果、分断化が進むアメリカの先駆け的なイメージもする。

余談雑談 2020年8月29日
東京は、またかの猛暑日。間違いなく暑いが、それでも以前よりも湿気が少ないと感じるのは自分だけか。 世界規模での二酸化炭素軽減が原因だと思いたい。ということは、来年以降は皮膚呼吸すら困難な夏の復活。 おっと、その前の9月以降に何度か台風直撃を