アフリカ大空輸 – THE HELL WITH HEROES(1967年)

メルマガ会員限定

画像を表示するにはメルマガでお知らせしたパスワードを入力してください。

スタッフ
監督:ジョセフ・サージェント
製作:スタンリー・チェイス
脚本:ハルステッド・ウェルズ、ハロルド・リヴィングストン
撮影:バッド・サッカリー
音楽:クィンシー・ジョーンズ

キャスト
ブライニー / ロッド・テーラー
エレーナ / クラウディア・カルディナーレ
ハリス / ハリー・ガーディノ
ウィルソン大佐 / ケヴィン・マッカーシー
ブリューワー / ピート・デュエル
ポーランド / ウィリアム・マーシャル
ペッパー / ドン・ナイト
ハンス / ウィルヘルム・フォン・ホーンブルグ
シェファー / リュー・ブラウン

日本公開: 1969年
製作国: アメリカ ユニバーサル作品
配給: ユニバーサル


あらすじとコメント

アフリカからの密輸で繋げる。前回はザンジバー島から帆船での密輸だが、今回は飛行機でワールドワイドに広がるアクション作。

アフリカ、アルジェリア第二次大戦終了直後。戦後もこの地に残り、空輸サービス業を始めた元空軍少佐で英雄だったマッケイ(ロッド・テイラー)と元部下ブリューワー。

ある日、元は軍曹ながら羽振りの良いハリス(ハリー・ガーディノ)から、エジプト綿布をパリまで運んでほしいと仕事を依頼された。しかし、それは隠れ蓑で実際は綿布に隠した相当量の密輸タバコだった。それを知ったマッケイは運賃を吹っ掛けた。渋々同意するハリス。

素知らぬ顔で民間飛行場に着陸し、積み荷とハリスを降ろした。そして、その足でアリバイ作りのために立ち寄ったパリの空港で、何故か待ち受けていた警察から立ち入り検査を要求された。

何と、ハリスが降機前にわざと麻薬を隠し密告通報していたのだった・・・

欲に目がくらんだ人間たちを描く活劇作。

戦争中はエース・パイロットで受勲までした主人公。相棒は命懸けで救った元部下。

悪役は元下士官ながら世界を股に掛けるやり手の密輸ブローカー。そして戦争中はドイツ軍に従事していて、自分は貧乏神と笑みを浮かべる、現在は高級娼婦の美女。ブローカーと知りつつ証拠がないために内偵しかできないアメリカ情報部の大佐。いかにもの登場人物たち。

主人公は所有する貨物機の借金が残っているので、それと引き換えに悪事と知りつつ密輸の片棒を担ぐから自業自得的にトラブルに巻き込まれていく。

舞台はアフリカから始まり、仕組まれた罠で航空免許と飛行機を差し押さえられ身動きの取れなくなったパリでの場面にシフトする。そしてお決まりである美女との恋模様も描かれていく展開。いかにものアメリカ製アクション・ドラマ。

美女役はイタリアのクラウディア・カルディナーレ。当然、きわどい濡れ場も登場しセクシーさを際立たせ、サービス精神も忘れない。

監督はどうにもB級感が漂うジョセフ・サージェント。しかしこの監督、本作後に冷戦下で米ソの巨大コンピュータが同時に反乱を起こす「地球爆破作戦」(1970)、想定外で初の黒人大統領が誕生する「ザ・マン/大統領の椅子」(1972・未)、B級サスペンスの秀作「サブウェイ・パニック」(1974)、天才オーソン・ウェルズがH・G・ウェルズの「宇宙戦争」を超リアルなラジオドラマとして放送したことから全米がパニックに陥った事実を描いた傑作「アメリカを震撼させた夜」(1975・TVM)など、小気味良い作品を輩出していく。本作も、その片鱗を感じさせそれなりに楽しめる仕上がりである。

誰が見ても解りやすく、ひねったストーリィではない。予算を掛けた大掛かりなアクションもない娯楽作の典型のような作劇。

決して、食い入るように見入る類ではなく、休みの昼下がりにでもゴロンと寝転びながら見るのには最適の作品。

余談雑談 2022年4月2日
新年度開始。4月1日に嘘をつくこともなく過ごして、さて、どんな年度になるのだろうかと。 まあ、元旦にも今年はどうかねと同じことを思ったが今回は少々違う。やっと骨折関係が完治したからだ。 桜が満開ながら寒の戻りだった朝、通常診療開始前に病院の