スタッフ
監督:ルイス・マイルストン
製作:ルイス・マイルストン
脚本:チャールズ・レデラー、ハリー・ブラウン
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:ネルソン・リドル
キャスト
オーシャン / フランク・シナトラ
ハーモン / ディーン・マーティン
フォスター / ピーター・ローフォード
ハワード / サミー・ディヴィス・Jr
ベアトリス / アンジー・ディキンソン
バーグドーフ / リチャード・コンテ
サントス / シーザー・ロメロ
エスポス / エイキム・タミロフ
コニール / ヘンリー・シルヴァ
日本公開: 1960年
製作国: アメリカ ドーチェスター・プロ作品
配給: ワーナー
あらすじとコメント
大金が絡む少しシニカルな作品。前回は遺産相続だったが、今回は仲間たちがタッグを組んで大強盗を敢行するお話。マフィア宜しく徒党を組んでいたフランク・シナトラ一家総出演の娯楽作。
アメリカ、カリフォルニア
犯罪立案のプロ、エスボス(エイキム・タミロフ)が新年のカウントダウンで大騒ぎするラスヴェガスの5大カジノの金庫を襲う計画を立てた。
しかし自分が前面に出ると各方面で目立ってしまい頓挫する可能性があるためオーシャン(フランク・シナトラ)に一任しようと考えた。オーシャンは、やはりプロ集団で遂行するよりも第二次大戦で命懸けで戦った落下傘部隊の戦友たちでと考えた。そのために元上官で金持ちボンボンのフォスター(ピーター・ローフォード)や、ハーモン(ディーン・マーティン)、ゴミ回収業に勤めるハワード(サミー・ディヴィスJr)ら10名を招集した。
しかし中には参加を渋る者もいたが、結局、員数合わせも必要だと全員が参加を決定。そして入念な計画が練られ実行された・・・
昔の仲間たちと大胆な強盗計画を遂行する犯罪スリラー。
プロの寄集めよりは一緒に死に直面しながら戦った戦友で犯行に及ぶ方が得策である。一理ある設定。
立案者はビヴァリーヒルズの豪邸で素知らぬ顔をすれば実行犯は特定できないはずと高みの見物。仲間内に一人だけ前科者がいるが、それ以外は犯罪歴がない面々。それも後々足がつきにくい設定でもある。
そんな彼らが軍事作戦よろしくリハーサルを重ね、大晦日から新年のカウント・ダウンを狙い遂行する。
これがものの見事に成功する。当然、警察は一斉捜索に乗り出すが、情報は皆無ですぐに手詰り状態に陥る。
ところが彼らの犯行だと気付く犯罪のプロが登場。そのプロが、金持ちボンボンの母親の再婚相手というひねり球。金満未亡人に取り入る詐欺師の悪党がボンボンに探りを入れて行くのでサスペンスが生まれる進行。
本来であれば暗い白黒映画のサスペンス・スリラーのような話なのだが、これがフランク・シナトラ一家総出演となれば垢抜けて、歌の上手い俳優もいるから少しゴキゲンで明るめの作劇となっているのが面白いと言えば面白い。
シナトラを筆頭に極悪人たちではないので仲間割れの心配はないが、それぞれに家庭の事情があったり、予想外のアクシデントで犯罪集団とは違う別のサスペンスが盛り上がる。
計画自体が大胆なので、少し現実離れしているし、どこかお気楽さも漂うので、手に汗握る内容ではない。しかもシナトラ自身が経営するカジノホテルを実名で登場させ、そこに強盗に入るという『楽屋オチ』的妙味もある。
ただし、詰め込み過ぎのため表現過多の場面もあり、少し間延びするのが残念。
それでも一応の娯楽大作であり、2001年にジョージ・クルーニーによって「オーシャンズ11」としてリメイクされている。
仲間内のパーティ気分で作っている気もするし、それでも、それなりに鑑賞に堪えうる作品である。それはやはり当時の俳優なりスタッフの資質が関係しているとも感じる。