秋嵐の後の小春日和。
まさか酷暑の名残じゃあるまい。特にここ数年は秋の短期化を感じるし、今年は秋自体が吹き飛んだ気もするが。
その「小春日和」ってのは、今頃しか使ってはいけないと知ったのは少し前。昔は学の足りなさから、冬の終わりを感じさせ、もうすぐ春ですね的な意味だと思っていた。
だが、実際は旧暦10月一杯までの使用。ちなみに2023年は12月12日まで。いい歳して知らないとか、勝手な思い込みはバカにされるだろうが、それでも個人としてはこの歳になっても成長を感じられるでしょ、と逃げ口上を謳ってみる。
時節に関係あるのであれば、もしや女性の名前で小春というのは、この時期に生まれたのかなと思ったりもする。でも、春子は春本番なのかとも。
名前の付け方も時代による流行がある。女性では『〜子』と付く名前は減り、今やキラキラネームが幅を利かせている印象。尤も、「子」が付くのは昭和に入ってからで、「たね」「キヌ」といった名前が多かったし、男では昔は兄弟も多く長男は「一」がついたり、「二」「三」と順番に降りたり、最後は『末』とか『留』と付けた時期もあるらしい。
時代に関係なく、活躍したスポーツ選手や俳優の名前をそのまま流用した事例も多くある。現在でもその傾向は残っているが、もしかしてキラキラネームが増加するのではと複雑な心持になる。読めない当て字だと頭の固くなった自分なんぞには想像だに出来ぬし困惑度が増すから。まあ、小春日和さえ理解してなかったし、名前も親の思い入れだろうから意見は言わぬ。育児放棄やDVで命を奪うよりは余程マシだし。
で、名前と言えば今年は吹き飛んだ印象の秋も「千秋」なんてのもある。今年は異様に夏が長すぎて、それこそ「一日千秋」の思いで涼しくなるのを祈っていた。
なので千秋は「一日千秋の思い」から来てるのかと思って調べてみたら、ちょいと違った。この千秋は千年を意味するのだそうだ。つまり、一日がとてつもなく長く感じるから、早く来てほしいとのこと。でも人間で千年生きる人はいないよな。しかし四季ごとに『千』が付く名前もある。「千春」「千夏」「千冬」。やはり生まれた時期に寄るのかもな。
それにしても千秋の思いで秋を待ったが、あっという間に冬の気配。なのに暖冬傾向とか。そのうち、季語なんぞ無くなるんだろうな。