やっぱり運は強いな。先週沖縄に行っていたが、快晴の離島から戻った那覇では、いよいよ熱帯低気圧から台風に変化したものが近付きつつあり、空がぐずついていた。とはいっても、霧雨が降ったり止んだり程度で支障はない。
何も予定がなかったので那覇中心部を流す程度で夕刻になるのを待ち知人の店へ。移住してビールの店をやっている奴は、帰京する人は帰路便を前倒しにしてますけど、大丈夫ですかと。
あれ、そんななのとも思ったが、ここは運に賭けようと思った。結果、無事に帰郷した。
既に、通り道だと自分に言い訳をして新橋で途中下車し、行きつけの店に行こうと決めていた。で、帰郷後初の地上へ。
瞬間に怒りがこみ上げた。そうだった灼熱地獄へようこそだった。新橋は、すぐそこに東京湾がある水辺の街ではなかったのか。まあ、当然、海は見えずに見上げると首が痛くなる高層ビル群のみだが。
そういえば、今更に報道で太平洋から東京湾に吹き込む風が高いビル群に遮られ、結果、埼玉や群馬の内陸部が40度越えになるとか言っていた。
そんなことは作る前から百も承知。それでも建てた方が宜しい人がいるってこと。施工着工は留まることを知らず、更に内側に乱立させるようとするのは、ゴジラのような外敵が攻めてきても絶対に落ちない砦というか、もしくは大震災の津波が来ても中心部には流入させないぞという防波堤的意気込みか。
疲れが一挙に襲ってきた。これじゃ沖縄への移住を考えたくなるよな。結果、途中下車は早々に引き上げて帰宅。
自室に戻ると、当然部屋内は淀んでいて、妙に生温い。窓とドアを開け放つが風も抜けず、逆に都会のイヤな生活臭が流入し淀む。
ふと、連想したのが、昔何度か訪れたタイでの早朝散歩の雰囲気だった。重い湿度が交じり合い、清々しくない街路樹の緑と土、生ごみ系のすえた臭い。
戻った直後の自室で、二度と訪問しないであろう異国感と疎外感に襲われた。どの道、この先どこの海外にも行かないだろう人生。
経験値や体力と気力の乖離。「生ぬるい」が決して「心地良い」には変わらないよなと感じられるのは、まだ心身ともに不感症になってないよなと自惚れられる。
でも、この感性と方向性が定着、加速するのか。脱線しても元に戻そうとするのか。いつの間にやらタイも沖縄も南国だろと思っても随分と緯度が違って、結局、迷子てか。
この湿気と温度じゃ前向きには考えられぬし、部屋にも籠ってエアコン点けても、何かが淀んでる。それに沖縄では無事だった台風の余波が追いかけてきた。で、温度は下がったが湿気は増した。
さあ、やっぱり次の逃避行だな。