潜水戦隊帰投せず – ABOVE US THE WAVES(1955年)

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スタッフ
監督:ラルフ・トーマス
製作:ウィリアム・マッキティ
脚本:ロビン・エストリッジ
撮影:アーネスト・スチュワート
音楽:ミーア・マシスン

キャスト
フレイザー中佐 / ジョン・ミルズ
ダフィ中尉 / ジョン・グレッグソン
コルベット少尉 / ドナルド・シンデン
ライダー提督 / ジェームス・ロバートソン・ジャスティス
ティルピッツ号船長 / O・E・ハッセ
スマート / マイケル・メドウィン
アバクロンビー / ジェームス・ケニー
ラムゼイ / ウィリアム・ラッセル
哨戒艇船長 / セオドア・ヴィッケル

日本公開: 1956年
製作国: イギリス ウィリアム・マッキティ・プロ作品
配給: BCFC


あらすじとコメント

前回、前々回と第二次大戦での英国軍の大敗を描く作品を取り上げた。戦勝国でありながら、どこか敗戦的センチメンタルさを感じさせ悲壮感を謳う戦争映画も多い。今回もそんな一本。まるで日本映画のような印象を受けた作品。

北海、フィヨルドイギリス海軍首脳部はドイツの巨艦ティルビッツの存在に悩まされていた。艦は通常、複雑な地形のフィヨルドの奥に停泊していることは解っているのだが、攻撃の手段がないのだ。

そんな折、フレイザー中佐(ジョン・ミルズ)が、小型の特殊潜水艇による攻撃が可能だと提案する。しかし、提督(ジェームス・ロバートソン・ジャスティス)は相手にしない。業を煮やした中佐は自分が提督の艦に乗船中に密かに防護網を破り接着型模擬爆弾を設置せよと部下に命令する。

結果、無事に作戦は成功し提督もゴーサインをだした。しかし、それ以後が大変で中々上手く進行せず、やっと作戦を遂行するが失敗してしまい・・・

艱難辛苦の作戦に挑戦する部隊を描く戦争映画。

天然の要塞のような場所に停泊する巨大戦艦を撃沈するべく立案される作戦。それは人間魚雷のように超小型潜水艇に乗り、磁石式爆弾を船底に密かに取り付けるというもの。

しかし、入江の入り口までは別な船に曳航してもらうという無理のある作戦。

結果、作戦途中で曳航中の小型艇が外れ失敗。潜水艇に乗艦していた兵士たちは、何とか陸に上がるが絶壁の山を越えないと中立国に入れない。

それでも何とかイギリスに戻ると、ならばもっと進化させた小型艇を開発するしかないと相成る。

改良型は4名乗りで潜水時間が格段に伸び、潜水したまま奥地まで行き爆弾を仕掛けられる。今度は指揮官も加わり、合計3艇での決行。

どう考えても、それだって無理があるよなと思うと、その通りの進行で各艇に問題が生じ、作戦決行が厳しくなる。

乗組員もどこか諦念し、神風特攻的顔つきで実行していく。

日本人としては何ともむず痒い。まるで全員が帰還するつもりがないかのような態なのだ。

無理が目立つ作戦を丁寧に描き、都度、問題を克服してい行くのだが、それでも不安材料が浮かぶ。

まあ、作戦自体の成否は想像付くが邦題からわかるのように、やはり無理が祟ったなというラスト。

間違いなくアメリカ映画ではあり得ない暗さと悲壮感が、妙に根底に流れ続ける。どこか気高く「負けて勝つ」という犠牲的精神を謳いながらも、自虐的日本の戦争映画臭さを感じさせる。

余談雑談 2022年9月3日
これもグローバル化なのか。もしくは集約化とか、均一性とか。 このところTVを見て違和感を覚えるというか、時代なのかと感じるとがあった。 沖縄が好きで、沖縄から関東へと展開するドラマを見ているのだが、妙に違和感がある。沖縄出身の俳優が多くでて