沖縄から戻って一週間。未だに後ろ髪を引かれている。何故、これほど惹かれるのか。
今まで、海外も含め、色々と旅してきたが、一度で気に入り、再訪を願わずにいられない場所と、一度で満足できる場所。訪れた年齢や精神的状況もあろうか。
思い入れがあるのは、複数回行った中ではイタリアとタイと沖縄だろうか。個人的印象として共通するのは『適当さ加減』。人が生きるのに忙しくなく、様々な外的影響を受けつつ、それでも何がなんでも前向きではなく、人々は暖かい。
後は、何よりも物価の安さ。尤も、イタリアはユーロ圏になり、全てが高額になったので、恐らくは、一生、行けないであろう。そもそもパスポートは3・11以前に切れたままだ。
そんな消去法で沖縄なのか。言葉に苦労しないし、一々レート換算もないので、両替手数料を含まずとも、ハラハラしないで済む。
沖縄で知り合う人々も、皆、好意的。自分に限らず、沖縄好きは多いし、中には向こうに移住した友人もいる。
今回も、帰りの飛行機で、色々と逡巡した。別段、移住しようとまでは思わないのだが、いつも帰路便で、後ろ髪を引かれるのである。
その帰京日に、二年前に一緒に沖縄旅行を楽しんだ友人と一献傾けながら、また一緒に行きたいとの提案を受けた。
その旅で、半日観光を依頼したタクシーの運転手さんと意気投合し、プライベートでの日常を聞き、観光客は絶対に行かない場所での釣り場を教えてもらい、夜中、釣り糸を垂れつつ一杯飲みながら過ごし、釣果を得るとその場で捌き、肴にして楽しむということに、とても興味を覚えたとか。
確かに、自分も印象に残っている。先立ての訪沖でも、別に用はなかったが、その運転手氏と会った。また、オジサン三人旅で来てくださいと言われ、そのときは、一日休むから一献行きましょうと、冗談交じりに言われた。
縁とは異なものであるし、類は友を呼ぶのか。もしくは、単なる社交辞令かもしれぬ。それでも、渡りに船であることは間違いない。日程さえ合えば、もう一人のオジサンも参加するに決まってるよな。
折角だから、沖縄に興味がある他の仲間にも声をかけてみるか。時期は旅費が安くなる11月中旬か。離島には行かず、本島のみ。それなら、参加希望者がいるかもしれぬ。
オフシーズに入るとはいえ、東京からすれば天国だろうし、雨男の汚名も今回で晴らせたかもしれぬ。
梅雨空の東京。空を見上げて、心は、もう沖縄か。