クール・ランニング – COOL RUNNINGS(1993年)

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スタッフ

監督: ジョン・タートループ
製作: ダーン・スティール
脚本: リン・シーファー、T・スェードロー、M・リッチー
撮影: フェドン・パパマイケル
音楽: ハンス・ジマー

キャスト

バノック / リオン
コフィ / ダグ・E・ダグ
ベヴィル / ラウル・D・ルイス
ブレナー / マリク・ヨバ
アーヴ / ジョン・キャンディ
ハンフィル / レイモンド・J・ハリー
グルール / ピーター・アウターブリッジ
ロジャー / ポール・クール
ベヴィル氏 / チャールス・ハイアット

日本公開: 1994年
製作国: アメリカ W・ディズニー・プロ作品
配給: ブエナビスタ


あらすじとコメント

前回がキューバを舞台にした作品だった。そこで、しばらくは『映画で巡る中南米の旅』と洒落込みたい。で、今回はキューバに程近いジャマイカから始まるコメディ。

1987年のジャマイカ。来たる夏季オリンピックに向け、陸上の予選が行われた。金メダリストの父を持つバノック(リオン)は、練習を重ね優勝での出場権を目指していた。

ところがレース終盤、自立心がなく、一代で財を成した父に頭が上がらないジュニア・ベヴィル(ラウル・D・ルイス)の転倒に巻き込まれて、失格になってしまう。

腹の虫が収まらないバノックは再レースを希望するが受け入れられず、冬季オリンピック種目のボブスレーであれば参加できると告げられる。しかも、かつて金メダリストの父をボブスレーに誘ったアメリカ人がジャマイカにいるというのだ。

早速、お調子者で幼馴染のコフィ(ダグ・E・ダグ)を伴って、アーヴ(ジョン・キャンディ)の元を訪ねるが、何と、彼は即座に協力を拒否。しかし、バノックの熱意に負け、条件として、最低でもメンバーが四人必要だと付け加えてコーチ就任を受諾するアーヴ。

そこで参加者を募ると、来たのはジュニア・ベヴィルと、国からでたいブレナー(マリク・ヨバ)だけだった。それでも、何とか四人揃った。

だが、全員そもそもボブスレーが何であるかも知らなくて・・・

実話を基にしたスポーツ・コメディの佳作。

常夏の国ジャマイカ。南国特有のおおらかというか、自由な人生を貧しいながらも送る国民性。

確かに、陸上競技などではこの前の北京オリンピックでも素晴しい活躍を見せた。だが、あくまでも、個人競技で爆発的才能を発揮するのであって、リレーなどチーム・ワークが必要な競技では断然弱いという一面を持つ。

そういった国民性。そんな彼らがボブスレーという氷上ソリのレースに出場しようとするのである。当然、誰一人、雪も見たことがなければ、寒さも未経験である。レゲエ音楽のリズムに乗って踊るような黒人たちが、いきなり「いろはのい」も知らないまま、無鉄砲な挑戦を試みる。

完全にコメディ要素として成り立つ。当然、作劇はコメディ色を前面に押しだして進行していく。

身勝手でノー天気な黒人たちを苦々しく思いながらも指導するコーチ役のジョン・キャンディが、抜群に上手い。しかし、金メダル2個、世界記録を9個も持っている彼には何やらボブスレーを捨てた重い過去が見え隠れする。

中盤まではジャマイカでのコメディ的展開を見せ、カナダでのレース場面になってからはドラマティックな進行となる。定番といえばそれまでだが、中々メリハリのある展開である。

確かにいかにもある種、万人受けするストレートな作劇。何故なら、これは実話なのだ。コメディとして始まり、ストレートな感動を謳い上げる。

ファミリーで見ても皆が感動する映画。流石に往年のウォルト・ディズニー・プロの作風である。

どこでも原色の衣装を身に着け、黄、緑、黒というジャマイカ・カラーが氷上に映える。

寒々しい氷の世界をバックに流れるレゲエの違和感さえ楽しくなるウェルメイドな映画。

余談雑談 2009年4月25日
闘病には程遠い入院生活。日中や眠れない夜など、自分の病室があるフロアーの待合室の長イスで暇を潰すことも多かった。 そこは二基ずつ向い合っているエレベーター・ホールでもあり、防火扉と柱に遮られ、すぐ向こうにある廊下とナース・センターが、絶妙に