余談雑談 2010年4月10日

先立て、気温が20℃近くまで上がった午後。散り始めた櫻の花びらを受けながら、数週間ぶりに3キロ先の酒場へ徒歩で向った。

いつものように、わざと路地を選んで歩いた。時折、低い家の上から降り注ぐ西日に、随分と陽が伸びたな、と眼を細めた。

歩きながら角を曲がると不意に、満開の櫻が視界に飛び込んでくる。そこは学校であったり、神社であったり。

まったく草花に興味はないので、平素、どこに櫻の木があるかなど、気にも留めていなかった。

しかし、この時期、西日を受けて咲き誇る櫻には、何か訴えるものがある。しかも、足元には小さな風に運ばれる花びらが踊る。

時折、見惚れて立ち止まった。しかし、何故、日本人はこうも櫻が好きなのだろうか。淡い色だからか。儚いから、だろうか。

いつもより、遅くなった到着。相変わらず無愛想なオヤジさんが、いつものように迎えてくれた。

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