日米を含めて、訃報が相次いだ。俳優トニー・カーティスと池内淳子。そして、監督のアーサー・ペン。
これは自身だけの問題かも知れないが、実際には「あの人は今」的なジャンルになっていた人物ばかりだ。
とはいっても、各人ともそれなりの思い出の作品はある。何か追悼は出来ないか、と考えた。拙メルマガでは、トニー・カーティスは二作品扱っただけだし、アーサー・ペンに関しては一本も扱ってない。
メルマガは一応順番を決めてある。で、何本か先にカーティスに関しては、二作品ほど予定があった。
ところが、アーサー・ペンに関してはかなり先だ。好きな監督の一人ではあるのだが、何故か、先送りしている。
1950年代から活躍したカーティス。60年代のアメリカン・ニュー・シネマから頭角を現したペン。そして、TVドラマで「よろめき」系昼メロから、後に「割烹着」姿が似合った池内淳子。
それぞれ、日本的時代で言えば、完全なる「昭和」である。彼らの作品を思い出しては、当時、見たときの自分の立ち位置を重ねた。
出るのはため息ばかりである。現状の自分と当時の自分。どちらにしても、ちと、ややこしいと感じるのは、やはり「うしろ向き」ゆえか。
それに比べて、過去最大幅の値上げになった煙草を、慌てて買いだめもせず、10月1日になっても、それまで同様の日課ゆえか、新定価にも平然としたまま、黙って一箱買いに来た親父さんの、何と格好良いことか。
こういう客に対してこそ、ライターなどの小さなプレゼントを差し出したくなるのは、やはり、自身が卑屈な負け犬だからだろうか。