先週末、屋形船に乗った。
経営者時代に何度か乗ったが、以前と比べて金額は半額だった。それでも、簡単に右から左という額ではない。
だが、残暑の夕暮れ時に「川面で酒」、「若い女性の同船者」と聞けば迷う。で、理性が負けたのだ。約30名での貸切とのこと。
同乗者は、若い人ばかり。初めての方も多数いて、かなりの人が浴衣や甚平姿という、いかにも夏の風景。
隅田川から、東京湾へ出て、レインボー・ブリッジが間近に見える浜離宮庭園近くに錨を降ろして、夕暮れ時を楽しむ。
早くなった夕暮れの残影が眩しい。ただ、アルコールも入っているし、ゆっくりと常に揺れ続けるので、酔ってしまう人もいる。
この微妙なる揺れで「船酔い」をする人は幼少の頃、持ち上げられたりして「高い高い」といった『揺さぶり』の経験が少ない子供であったから、という説を聞いたことがある。
本当だろうか。単に、人生が激変過ぎて、微妙な継続性の揺れは想定外で生きている人間てなことはないだろうか。しかし、若い人で本当に横になる人もいた。そういった人は、二度と乗りたくないと思うのか。それとも、リベンジを誓うのか。
そんなことを思いつつ、飲酒を続けた自分。元は取りたいと願い杯を重ね、浴衣姿の若い女性を見つつ、後ろの夕景を愛でる。
いつか、絶世の和服美人とふたりだけで船を借り切り、他には、たったひとりだけ三味線専門の芸者を呼び、波に揺られる。
つくづく悲しい性だと力なく笑った晩。