余談雑談 2012年12月22日

今年も、後一週間ちょっと。

「師走」とも言うし、毎年、飽きもせず、ここで書いているが、自分は何らの『師』でもないので、走る訳もない。この一年を振り返っても、まったく走らなかったとも言えよう。

尤も、これは『師』には関係ないのだが。まあ、考えようで、一年を通して、東奔西走しなかっただけでも、倖せだろうか。

そこで、少し別な視点で考えた。かつての自分が尊敬できる方々、つまりは『師匠』が走る姿を見たことがあったか。

それも思い出せない。そんな師匠を持っていなかったのか。それとも、本当の大人物は、走る姿など決して、他人には見せなかったのか。

今や、自身も中途半端な歳になり、更に歳を重ねて、頑固とか偏屈に磨きがかかっているとも感じる。当然、そんな自分は、誰からも師匠とは見られまい。

それが自分の人生そのものだろう。では、走ったのは何時か。それすら、思い出せない。もしかして一度も走ってない人生なのだろうか。

巡りあって四年の、老夫婦が営む、煤けて小汚い、カウンターだけの小さなもつ焼き屋。もう、一週間で閉店である。

そこの老夫婦は、半世紀近く、あの小さな店で走って来たのか。無口でいかにも不器用そうな旦那と、いつもニコニコしていた女将さん。まったく何てことはない、地元の常連のための店。

偶然、見いだして訪れるようになった店。まだまだ自分など、そこでは若輩で新参者だ。なので、少なくとも、最終日には行くまい。長年の常連たちに席を開けておくべきだろうから。

それとも、最終日は、こんな自分でも走って行きたくなるのだろうか。

「蛍の光」が似合う年の暮れになりそうだ。

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